ターコイズの空の下でのレビュー・感想・評価
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モンゴルの美しい風景が懐かしかった
大企業の経営者・三郎の孫、タケシ(柳楽優弥)は、早くに父を亡くし、三郎に甘やかされ贅沢三昧の堕落した生活を送っていた。ある日、三郎の馬を盗んだモンゴル人のアムラが捕まり三郎と出逢う。三郎は第2次世界大戦終了時にモンゴルで捕虜生活を送っていた時、現地の女性との間に娘がいた。アムラとの出会いをきっかけに、三郎は生き別れてる娘を捜すため、アムラに依頼しタケシをモンゴルへ送った。言葉も通じないアムラとともに伯母探しの旅を始めるタケシだったが、自動車が故障したりとハプニング続発。さてどうなるという話。
個人的に10数年前、モンゴルを訪れゲルに泊まって馬乳酒を飲み羊の解体を手伝った旅を、あんなだったなぁ、って懐かしく思い出し観賞した。
ガソリンスタンドも無いのに車で行って大丈夫?とか、日本の4倍以上の国土で300万人くらいしか人口がいないモンゴルでアテもなく旅して伯母さんが見つかる訳がない、って思って観てたが、さすが映画・・・って思った。
風景の美しさ、生きることの原点などを思い出させてくれる作品だった。
タケシがだんだんとたくましくなっていく姿が見所かな。
モンゴルの自然が圧倒的
最初から卑猥なシーンがあって柳楽優弥君がどこか浮世離れした御曹司役。
かなり強引な展開でモンゴル行きが決まるが、柳楽くん演じるタケシはノリで来た的な空気感。モンゴル道中での色々な出来事もそれほど嫌がってなくて、身を任せてる感じが意外な感覚だった。
しかし、中盤くらいのある出来事から、柳楽くんのあらゆる感情が剥き出しになって、すっかり全力でモンゴルに馴染みきる展開に。あの女性のシーンは確かに凄い迫力だった。
とにもかくにも、セリフがほとんど無い中で、その違和感がほぼ無かったのはモンゴルの自然のお陰。前日にブータン映画を見ていたが、それともやや異なる雄大さに目を奪われっぱなし。パンフレット買ったら、柳楽くんは役作りをほぼしてなかったらしく、それも納得。
音楽も含め、映画館で見れた幸せを味わえる映画でした👍
自然に鍛えられた男の成長物語
表面的には単純な金持ちの遊び人ボンボンがモンゴルに行き、様々な経験を経て成長する物語である。
観光気分でいたモンゴルの旅は、案内人の男が捕まって連れて行かれたところから一変する。モンゴルの自然は厳しくもあり優しくもあった。彼はこの大地の中で命の大切さ、本当の豊かさなど感じていったと思う。それらの表現1つ1つが映画の1シーンに盛り込まれていたと思う。そして、全編にわたって流れる音楽が素晴らしく映画を盛り上げてくれた。
残念なのは、ターコイズの空がもっとこれでもかと言うくらい出てくるかと思っていたがそれは違ったこと、それぞれのシーンのこだわりが強くてストーリーとしての流れが少し足りなかったかなと思った。
気持ちの良い空の下で放出したい。
まー、色々ありますよ。
話のとっかかりが強引すぎるとか、え?大した経験してませんよ?それでそんなに?とか。
酒浸り女浸りだけでは、放蕩と言うより女好きに見えるとか。結局、どんな男かはわかりませんから、変化がイマイチ響かない、、、。
とかとか、言いたいことは山程ありますが、モンゴルの空、山、草原の風景を見てたらどーでもよくなりました(笑)
ホント、説得力ある絵なんだよなー。
僕も◯◯ションしたい!
監督自身がモンゴルに魅せられたみたいで、全編からモンゴルいいとこ!って感じがにじみでてます。
これでもか!ってくらいに。
さて、旅。
旅ってホント勉強になるんですよね。特に日本語が通じない国へ一人で行くと。
まず、自分の無力さを思い知らされます。あと、周りから見た日本、自分を自らが評価できます。
だから、自ずと成長しちゃうのかもしれません。
本作がうまいなーって思うのは、旅を進める過程で主人公を何の武器も持たない一人の人間にしていく点です。
もう、人間力で対応するしきない状態に持っていく感じがとってもよかった。
良いエピソードばかりです。
あと、おじいさんエピソードは戦争絡み。
お恥ずかしいですが、え?そんなことあったの?って。
僕(僕ら?)は戦時に日本が他国に何をして。どんな関係だったのか?を知らなすぎるし教えなさすぎると改めて痛感。
僕こそ旅ならびに勉強が必要ですね。
モンゴルに一度は行ってみたくなる良作です。
モンゴルの風景を楽しむ映画
2021年3月26日@シネリーブル梅田
レイトショーで鑑賞。
客は私を含めて3名のみ。
とても快適に鑑賞できました。
映画の感想です。
個人的には好きでした。
他のレビューにもあるとおり、ストーリーはほとんどないです。
とても単調で、その割に登場人物の行動等に説明がつきにくい。
お世辞にもよくできたストーリーではないので、内容重視での鑑賞はお勧めしません。
ただ、それでもこの映画が良いところは、モンゴルの風景をスクリーンで観れる点です。
タイトルの通り、ターコイズの空の描写がよく出てきますし、モンゴル人の踊りや生活風景も描かれています。
まるで写真集をめくっているかのような作品でした。
レイトショーで何も考えず、綺麗で独特な風景を眺めていたい方にはお勧めです。
苦手
現実と非現実の不思議な世界
大企業の経営者三郎のモンゴル抑留の経験から、運良く罪を間逃れるモンゴル人のアムラと、三郎の孫タケシのロードムービー。
モンゴルに放り出される温室育ちのタケシを、馬泥棒のアムラに託して大丈夫なのかと思ったが、たくましく任務をこなすアムラと溶け込むタケシ、通じない言葉と口数少ないながらも2人は良いコンビになっていく。
そして、遊牧民族ならではの風景と生活が広がるモンゴルの地で、人間の無力さと同時に、生きていく力強さと生命の誕生の尊さの現実をまざまざと見せつけられて、タケシが野生的に変化する様は自然で良かった。
旅の途中のシャーマンの舞や、遊牧民族の歌と踊りもトランス感が素晴らしく、内から湧き上がる物が非現実の雰囲気を醸し出していた。
この現実と非現実の果てしないモンゴルの大地、昔観た「紅いコーリャン」の衝撃を受けたコーリャン畑のシーンを思い出し、大地にすっぽりと包まれた感じになる、凄い作品だ。
劇場で見たほうがいい
写真集みたいな映像
ロードムービーと言えばそのままですけど。
柳楽優弥目当てで鑑賞しました。
モンゴルの自然の画は圧倒的。
柳楽優弥もバカからの成長やセリフのない演技も良かったけど、、、
ん?で?
と思ってしまった。
中盤から後半は、ほとんどセリフが無い。言葉が通じない外国ということだけど。
無言で馬のって川渡って、、、ん?で?
ってシーンの連続で厳しかった。
最後も、だろうねって終わり方だし。
ココ最近で観た映画で1番厳しい。
とってもキレイな映像ですが、私には中身が無いように思えた。無駄なシーンが多いというよりも、無駄なシーンしか無かったような。
ある意味、本当のロードムービー。キレイな映像と、印象に残る映像はあったけど、喜怒哀楽、どこの感情も無かった。
寝る時に観るヒーリング映像なら高評価。
全部、夢みたいな映像。
写真集ならとても良い写真集。
唯一無二の空気感で、芸術っぽいし、フランス映画っぽいけど、、、私にとっては物語が無いので映画としては厳しい。
シンプルで分かりやすくて短くて面白い
12月生まれの人は是非鑑賞してください
柳楽優弥はいい雰囲気を出していた。この人はチンピラの役も出来るし、エキセントリックな変人の役やサイコパスみたいな危なっかしい役も出来る。そして本作品のように金持ちのボンボンの役もよく似合う。主人公タケシは贅沢な生活をしているが放蕩という感じではない。育ちのいいおおらかさを醸し出している。柳楽優弥の見事な演技だ。
タケシは祖父三郎に命じられてモンゴルでツェルマという60歳くらいの女性を探す旅に出る。ツェルマは日中戦争時に三郎がモンゴル人女性に産ませた娘だ。雲を掴むような話だが、三郎は大企業の経営者らしい勘を働かせて、所有するサラブレッドを盗んだモンゴル人アムラをタケシの案内役にする。アムラの豪胆な行動を踏まえての判断である。目的はツェルマを見つける他に、タケシを大企業の経営者として脱皮させることだ。
早速ふたりのモンゴルの旅が始まる訳だが、タケシはアムラの度胸のいい行動にも少しも動じない。台詞は殆ど「おー」だけだが、いろいろな「おー」があって面白い。それぞれの「おー」にタケシの性格が現れていたと思う。気づいた限りで列挙するとタケシの性格は次のようである。
何が起きても狼狽えない
無駄に慌てない
状況を受け入れる
他人や他国の価値観を受け入れる
素直に感動する
モノに固執しない
不安にならない
臨機応変に思い切った行動ができる
いまを楽しむ
こうやって並べてみると、すでに大企業の経営者としての資質を十分に備えているように思える。観客は、言葉の通じない異国にあっても堂々としているタケシとともに、モンゴルの自然を楽しむことができる。温度や匂いまで伝わってきそうな見事な映像である。馬頭琴を弾きながらのホーミーは地平線の広がる大草原で歌ってこそだ。
映画の舞台は東京とモンゴルの草原というかけ離れた場所だが、本作品はふたつの共通点を示してくれている。ひとつは東京でもモンゴルでも、人生は出逢いと別れの連続だということ。そしてもうひとつは、東京とモンゴルは青い空でつながっているということ。ターコイズの空である。12月生まれの人は是非鑑賞してください。
【同じ空】
この映画タイトルを見た時に、そっか〜、モンゴルの空は少し緑がかった青色なんだと思った。
冬の東京の空は真っ青だが、実際に見るとターコイズの空は、どんなだろうと思う。
亡くなった僕の昔の上司は馬が好きで、モンゴルに馬を見に行ったことがあったなと思い出して、もしかしたらターコイズの空を見ていたんだなと感慨深くなった。
そして、日本人はかつて、アジアのあちこちに兵隊を送り込んで、戦争をしていたのだなと改めて感じる。
多くの日本兵が、各地の女性との間に子供をもうけていたことは、再三報じられてきたことだが、残した子どもに想いを馳せることはあっても、実際に会うこともなく、多くの戦争経験者は亡くなっていっている。
こうした映画を通して、戦争を憎んでも、人は憎まずという気持ちの人がいるのを知る一方、経済的に豊かになったからといって、日本人は果たして、世界の人々から尊敬されるような存在になっているのだろうかと思うことがある。
ターコイズカラーであろうと、真っ青であろうと、空はひとつのはずだ。
目で会話するモンゴル人
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