「現実と非現実の不思議な世界」ターコイズの空の下で パプリカさんの映画レビュー(感想・評価)
現実と非現実の不思議な世界
大企業の経営者三郎のモンゴル抑留の経験から、運良く罪を間逃れるモンゴル人のアムラと、三郎の孫タケシのロードムービー。
モンゴルに放り出される温室育ちのタケシを、馬泥棒のアムラに託して大丈夫なのかと思ったが、たくましく任務をこなすアムラと溶け込むタケシ、通じない言葉と口数少ないながらも2人は良いコンビになっていく。
そして、遊牧民族ならではの風景と生活が広がるモンゴルの地で、人間の無力さと同時に、生きていく力強さと生命の誕生の尊さの現実をまざまざと見せつけられて、タケシが野生的に変化する様は自然で良かった。
旅の途中のシャーマンの舞や、遊牧民族の歌と踊りもトランス感が素晴らしく、内から湧き上がる物が非現実の雰囲気を醸し出していた。
この現実と非現実の果てしないモンゴルの大地、昔観た「紅いコーリャン」の衝撃を受けたコーリャン畑のシーンを思い出し、大地にすっぽりと包まれた感じになる、凄い作品だ。
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