「ちびっこギャング未満」MONOS 猿と呼ばれし者たち 屠殺100%さんの映画レビュー(感想・評価)
ちびっこギャング未満
『モノス 猿と呼ばれし者たち』というタイトルがインパクトあったし、MI-13みたいな有名なガキギャング団の話を期待していたら、大間違いだった。
アクション要素がメインで、孤児がギャング団(モノス)にされて過酷な人生を送る話かとも思ったがそうでもない。
山奥で牧歌的かつ平凡な日常を送り、訓練といえば、日々体操程度の軽めの訓練を受けて残りの時間はキスしあったり、鞭うち遊びしたり、どうでもいいシーンの連続。戦いはなく、ふざけあってるだけで、いつ戦いに行くのかわからないし、ドラマ性はない。モノスたちの日常のいちゃいちゃシーンが映画の9割だった。
中でも大袈裟な音楽の使い方がダメだった。猿真似でチュパチュパやったり、笑茸の毒茸を警戒心ゼロで平気で食って仲間同士笑い合うとき、川で泳いで溺れてるシーンで唐突にかかって文脈が無視された使われ方。どうでもいいシーンにこの大袈裟な音楽がイライラした。あとは余計なシーンが多すぎる。意味なく木とか葉っぱとか苔みたいな植物をちらちら映したりするシーンが異常に多い。普通全部削除でしょ。
それに、モノスたちの動きがモタモタしてて、全然訓練されてるように見えない。途中でいつのまにかいなくなってる奴もいるし、冒頭でディープキスし合ってた兄弟はどうなったの?
司令は物語の中盤で通信機から、度を越したのろのろとした受け答えでやりとり。一つ一つの受け答えの間が30秒くらいあって、応答する始末。司令部は人質に意味不明な質問をするし、何がしたいのかさっぱりわからない。
アメリカ人の女性博士の人質といきなりキスしてその後ヘラヘラ笑いながら泣くモノスの女の子がいて、何で泣き笑いするのか意味不明。後半ジャングル生活の時に、人質が気持ちよさ気に川で泳いでたら、一緒に飛び込んでもたもた髪を洗い出して、その間に後ろから人質に鎖で首絞められて殺される馬鹿さ加減がひどい。日頃の訓練は何の役にもたたなかった。
人質をもたもた鎖につないで罪悪感からか泣き出す別のモノスの女の子、精神的に弱すぎで、全然訓練されてない。この子が突然グループを抜け出すが、人質を鎖に繋いで拘束するのが嫌で泣いたこと以外はグループに嫌な気持ちを抱いているような振りがまったくなく訳がわからなかった。
髪を洗ったり、チュパチュパ猿の真似でなんの気無しに吠えてたり、それが何を意味するかもわからないし、こいつらの自由気ままな行動は全く統制がとれてない。銃撃つのも下手だし、たいした戦士じゃないので、見ていてイライラする。
それぞれのシーンがほぼ意味不明でとくに冒頭司令部から借りた乳牛が死んだからと言って責任とって自殺した?上官はなぜ蘇ったのか?別人?あんな変わった姿形の人と全く同じ別人がいるかね?それすらもわからなかった。もしかしてアート映画だったのだろうか?