金の亡者たちのレビュー・感想・評価
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To a broker, a client's words are money. ≒ お客様は、神様です。
映画の幕開けは、主人公のチョ・イルヒョンの次の言葉から始まる。
How much is a figure with 10 zeros?
10000000000 ➡ 10,000,000,000
That's 10 billion won, or $10 million.
I wanted to be rich.
新人ブローカーのイルヒョン。同僚で友達なんか、運動神経抜群で、長身、ハンサム、女の子にもてる、コネもある。そして株式の仕事もこなせる。イルヒョンは、嫉妬さえも感じられないほどのどん底の成績の立場にいたが、ある日、先輩ディラーから ”Ticket” という謎の男を紹介される。その男の指示に従うだけで、その日のトップセールスを記録し、歩合制の為か面白いようにお金が、転ぶように懐に入ってくる。”リッチになりたい。” と思いが届いたのか?
休みの日には、いつも、頑固でかたくなな父の農業を手伝うような優しい一面を持っていた彼が、その日を境に変貌していく。古い服なんか、ポイ。古い借家なんか、ポイ。髪型だって、ポイ。過去の全てものを、ポイのポイのポイ。そして、ついでに彼女もポイ....!? って、それはいくら何でも....。一事が万事、うまく行っていると思っていると必ずやってくる反転したような悪魔が徐々に迫ってくるというシナリオとなっていて、イルヒョンが、Ticketの指示に従うにつれて、膨大な利ざやを稼ぐシーンや彼自らも自信を持ち姿かたちだけでなく、会社の中での立場が上向きになっていく流れを見ているだけで面白く、テンポの良いお金のゲームを見ているようで、サクッと観ることが出来る映画となっている。株式なんて私に関係ございませんし、わかりません。なんていう御仁でもまして、割安な投資対象を買い、割高な投資対象を売るポジションを取ることで、利益を得ようとする手法である”スプレッド取引”なんて株式の基本知識も知らなくても、この映画の痛快さがわかるいたってエンターティメント性に優れている映画作りがされている。
しかし、映画において、そんないいことが続いていてはお話にならないので....!イルヒョンがレストランのトイレに立つとそこには、あたり障りのない男がいた。その男が差し出した名刺には”大韓民国金融監督院主任監督官、ハン・ジチョル” の名前が...別名Hunting Dog(猟犬)。それがきっかけで四六時中、監視対象となってしまう。その事をTicketに話すと..
Always be confident. Those who look nervous are easy targets.
Like you, Mr. Cho.
イルヒョンは、Ticketの指示する株式の取引の裏には、何か犯罪めいたものも見え隠れしているのを感じ、しかもTicketを紹介した上司も含め数名の関係者が不思議な自殺や事故に巻き込まれてしまう。Ticketによる次の言葉が
Where's the boundary between legal and illegal?
It's an insolvent corporation that'll go under anyway.
It's immoral to not exploit it.
As I ramped up scale, some bad money go mixed in.
-What's that about?
Loan sharks got involved. Loan sharks:闇金、高利貸
謎の男 ”Ticket” の不思議な精神構造がわかる台詞。イルヒョンがそんなに稼いで何回分の人生分を稼ごうとしているのかを彼に尋ねると、このような言葉が返ってくる。
You're thinking too much.
Enough to last several lives? That's not really important.
I do it for fun.
Hunting Dogのハン・ジチョル主任捜査官がイルヒョンを捕まえようとすぐそこまで捜査の手が伸びてきている。ここでイルヒョンは最後の一手を打つことによって一発逆転劇を果たそうとするが.......!?
Where was he going to use the money for? この不思議ちゃん、何に使うの?
主任捜査官ハン・ジチョルを演じているチョ・ウジンさん。普通ならサクセスストーリーの腰を折るような立場を演じたなら嫌みな面も出てくるのが人情というものであるけれども、この役者さんはさらっと演技をしていてアクがなくいい感じの人です。また、今回の悪役といっていいのか不思議ちゃんの ”The Ticket” とも ”Number Ticket” とも呼ばれた役を常に薄ら笑みを浮かべながら演じているユ・ジテさんの演技がなければ、締まらない映画となっていたかもしれない。リュ・ジュンヨルさんについては、ファンを裏切らないいい感じでした。
ラストは、イルヒョンがシェーンとなりました。チャンチャン、何の意味か分からんけど、知らんけど。
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