「このスピーディさがたまらない!」スーパーティーチャー 熱血格闘 Naakiさんの映画レビュー(感想・評価)
このスピーディさがたまらない!
問題のある学校。そこを舞台にした物語。ドニー・チェン演じるチャン・ハップ先生が問題を解決する。赴任初日、生徒はハップ先生が教室に来ているのに完全無視。”good morning”と先生から挨拶しているのに鍋でラーメンなんかを作っている。なんだ~ッと思っているとハップ先生流の解決方法で、次の言葉が”welcome to my class”と少々手荒い歓迎を受けることとなる。教室でラーメン。どこでも同じことをするもんですね。
この映画に登場する舞台は”secondary school”。中学のはずがどう見ても高校生。ま~ッよくあることで、ここは、御愛嬌。アジア系の映画では、必ずといっていいほど喫煙の問題が取り上げられるが、この映画でも問題視されているが、ドニー・チャンですので、それなりの解決方法を生徒たちに突きつける。そんなことは言っても、個々の生徒さん、皆さん、服装の乱れはないし、男の子の髪のスタイルなんてヒチサンだし、女子生徒は茶髪でもなく、ピアスなんて誰もつけていなし、ここの学校問題だらけのはずでは? 生徒を見ているとそうでもない。生徒というよりも親の影響が子供に影を落とすパターンとなっている。つまり、手っ取り早く、この問題を解決すれば、万事がOKとなる単純と思われていたが、ドニー・チェンが出演しているので、アクション・シーンがなければならない。今作は、Hong Kong Stuntman Associationに所属する唯一の日本人・谷垣健治がアクション指導をしている。この映画の見どころの地元のボクシングジムのボスが、ハップ先生の生徒の1人を監禁しているところに救出するためボクシングジムに乗り込み、そこで繰り広げられる激しいロッカールームでの格闘は、ローカーを巧みに使い、巨漢キックボクサーと迫力あるアクションとなっている。とにもかくにも、ジムにある物なんでもかんでも格闘の道具として使っているので、派手さが倍増しています。
この格闘の一件以来、クラスの生徒は、右へならえのごとく、皆さん、品行方正な生徒さんになってしまうのは、少し違和感のあるもののような...? そんなことは置いておいて。
ラストに見せるアクションはジムの時とは異なり、ラスボスとの一騎打ちの格闘シーンは、接写撮影を多用し、狭い教室の中での机や椅子をバラバラになってまでもアクションに取り入れ、迫力以上の何かを見せている。それが完成された場面となっているので、ドニー・チェンのファンの方なら必見といえるものとなっている。動きの激しい接近戦の撮影、ただただ見ているしかなく、言葉に出ない。
ハップ先生は、ラスボスとの因縁を解決し、その後、生徒たちのほうは、一筋の希望の未来の道が開けていく。そして、ハップ先生は、鷲がどこかへ飛び立つように去っていきます。
全編、音楽もさることながら、シナリオ自体のテンポが何かの韻を踏んでいるように、サクサク進んでいきます。爽やかさの塊のような映画であることが言えました。