「たわわな気持ちにはなれませんが、オーピー映画の志しは好きです。」たわわな気持ち マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
たわわな気持ちにはなれませんが、オーピー映画の志しは好きです。
タイトルがなんとなく面白そうな事とポスターの主演の松本菜奈実さんが可愛らしかった事w
以前から成人映画を専門に製作・配給しているオークラ映画の成人作品をR15+再編集版で上映している「OP PICTURES+」にも興味があった事。
今作の上映館の「ポレポレ東中野」にも行った事が無かったので、一度観てみたかった事。
いろんな事が重なって、興味が出て観賞しましたw
で、感想はと言うと、低い感じでギリギリまぁまぁw
成人作品として、公開されたのをR15+再編集版で上映しているのですが、流石成人映画がベースなだけあって、R15+への再編集版と謳っていても、もうR18といっても過言ではないかなw
それぐらいセックスシーンやエッチなシーンが沢山。いや~エロかったですw
正直、ストーリーは他愛もない感じです。
全体的にも単調で粗い感じ。ツッコミ所も沢山あるし、演技に関しても出演している役者さんの技量にもそれぞれ差があって全体的には低滞な感じ。
松本菜奈実さん演じる綾が風俗ライターを仕事としながらも自身の性に億劫で彼氏ともギクシャク。
そこから彼氏が内緒で通う風俗のお気に入りの穣を取材した事から自身の性の解放へと向かうと言うのがざっくりな説明ですが、エロ映画らしく出てくる男性と女性は互いにだいたいヤリますw
彼氏役は古澤健監督が自身で演じていて良い感じで嫌な奴を演じられてますw でも、どう見ても率先してやりたかった様にも感じるw
綾の上司と言うか同僚の田中を一般作品にも多数出演されてます川瀬陽太さんが演じられてますが、味のあって良い感じです。
完成度や良質を求めてはいけないのかも知れませんが、数多くのメジャー作品も監督として担当している古澤健監督が以前からピンク映画を熱望していたと聞いてそれも興味深かっただけにちょっと肩すかしな感じです。
ですが、作品が明るい感じでコメディチックなだけに、何処か1980年年代のちょっとエッチな青春映画な感じがして、なんとなく、菊池桃子さん主演の「パンツの穴」を思い出しましたw
主演の松本菜奈実さんが本職のセクシー女優さんと言うのは上映後に知って、キュートで愛嬌もあり、演技も個人的には悪くないかなと思うだけにいろんな部分で勿体無い感じ。
普通の一般作品でも性描写がてんこ盛りの作品は沢山ありますが、成人映画は性行為が大前提にあって、そこにいろんな情念やストーリーの設定が付いてくるかと思いますが、だからこそ作り手の技量が問われる訳で、言わずもがなピンク映画をステップに映画監督として大成された方は沢山おられます。
古澤健監督がピンク映画を熱望していて、念願のピンク映画を撮られたのであれば、もう少し古澤健監督がピンク映画を撮ったとする主張と意図、情念的なのが感じられても良かったかなと。
また、一般作品としても上映出来るR15+の再編集版にしてはエロいシーンがかなり多いのもどうかと。
映画の鑑賞制限で所謂レイティングなんですが、様々な成人作品の中から厳選して、エッチシーンをある程度カットしても作品としての面白さを堪能出来る物を持ってきていると思いますが、それでもエッチシーンも多いし、ストーリーも単調ではちょっと如何な物かと思います。
エロいからこそR15+かと思いますが、この作品が「アウトレイジ」「座頭市」「スワロウテイル」と同じレイティングなのも違和感があってR15+にする意味が無い感じ。
一本観ただけでは全体の判断が出来ませんが、一本でそう言う風に思ってしまうのは観た作品が悪かったのか、はたまたこういう物なのか。
どちらにしても成人作品でもエロを限りなく外したとしてと「魅せる」作品を期待してたし、期待したいです。
“そんな文句ばかり言ってるなら観に行くなよ!”と言うお言葉があるかと思いますが全く駄目ではなくて、なんか掘り出し物を見つけにいく楽しみがあって、そこを楽しみにしてはいるんですよね。
また、今のアダルト作品には無い、雑な緩さも楽しかったりしますw
上映後にサプライズで古澤健監督と「たまたま近くで飲んでいて、フラッと酔っ払った勢いで劇場に足を運んだ(強調)」と言う、出演されていた加藤ツバサさんが舞台挨拶に上がられて当時の撮影秘話的なトークショーがありましたのはラッキー♪
こう言ったサプライズがあるからこそ、ミニシアター系の作品を劇場で観賞するのは楽しかったりします♪
エロを観賞するのに様々な媒体が溢れ出る昨今で頑なに成人映画の劇場公開作品を製作しているオークラ映画の姿勢は結構好きですし、その作品をR15+として再編集で一般公開する志しも共感出来ます。
だからこそ、頑張って欲しいし、いろんなチャレンジをして欲しい。
全部を観に行くかは置いといて、気になるラインナップをされるので、今後も期待したいと個人的には思ってます。
劇場で成人映画を観るのはちょっと憚るけど、気になると言う方は如何でしょうか。