「なぜに突然登場したのかもよくわからないけど…。」家門の復活 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0なぜに突然登場したのかもよくわからないけど…。

2023年5月28日
PCから投稿

今年175本目(合計826本目/今月(2023年5月度)32本目)。

シネマートの、いわゆる「韓国映画祭り第1弾」として登場していた作品です。
タイトルだけではまるでわかりませんが、シリーズものの第3作で、公式サイトほかを見るといわゆる「ヤ*ザもの」に見えますが、実質的にはギャグもの(コメディもの)と解したほうがよさそうです。

ただ、3作品目からいきなり見るのは難しく(1話、2話に関しては、一応、U-NEXTほかでVODはある模様で、4話にいたっては、「彼ら」が日本に「進出」したという設定で、佐賀にいったりと日本が舞台だったりする)、かなり理解度が落ちる映画です。

これに輪をかけるのがよくわからない字幕で、いわゆる「内輪ネタ」(韓国国内でしか通用しないギャグネタ)などもあると思えば、かなり深い知識まで要求してきたりと、2時間ちょっとで理解する映画としては度が超えているというか、ストーリーの理解がかなり困難なので、感想を書き込むサイトなのに解釈が難しい…という変な作品です(それにしても、シネマートもなぜに、3作品目となる本作品を「単独で」選んだのかよくわからない…。なお、3作品目となる本作では、1~2作目の展開はある程度常識扱いされています)。

 なお、映画内の字幕は当時のもので、今とは字幕の振り方が違うのか、耳慣れない地名が多く出てきますが、「ヨス」は「麗水」(人口20万人ほどの港町で、北側の順天とのつながりが強い地方都市)です。また、当時も現在も、日本に各地の方言があるように、韓国においてもソウル方言を標準語としていわゆる方言は存在し、麗水がある全羅(南)道(一時期はここに済州島も入っていたが、現在は外れている。ただし、済州島方言も別扱いされることが通例)の方言のことを指している字幕もあります(韓国にも当然方言が存在する、という当然のことを理解していないと、突如方言の話が出てくるなど混乱度合いは高い)。

 ただ、これらの問題は結局「突然なぜか3話だけ放映して理解が難しい」という映画館側の問題であり、作品側の問題ではないので、映画の作品としての減点要素として挙げにくく(まぁ、チョイスミスだとは正直思う…)、便宜上フルスコアにしていますが、「なぜに」突然3話目にあたるこの作品だけ突然取り出してきたのかよくわからなかったりする部分もあります(特に「麗水」などは知っている人は少ないのでは…とも思えます)。

 作品としての評価はフルスコアですが、以下気になったところです。

 (減点なし/参考/「よりによって麗水なのか…」などの発言一般について)

 ・ 日本においても地域内差別があるように韓国にも存在することはれっきとした事実で、それが全羅(北/南)道で、特に済州4.3事件、麗水順天事件(10.19)、光州事件などによるもので、今でも差別意識があるとされます。

 ※ よりきちんと調べると、韓国国内では「湖南問題」と言われるものですが、国内においても紛らわしい表現とされるので(韓国国内では、それほど有名な「湖」が存在するのではないため、漢字表現として混乱させる)、歴史上の用語として「湖南地方」といった語が(韓国国内の自国史などで取り上げられる以外)出てくることは少ないようです。

 もっとも映画の作品としてそれを露骨に描くようなシーンは存在せず、せいぜい上記の発言程度ではありますが(ほか、方言なまりをいじっていたりするシーンほか)、前提として上記のことが前提にあることを知らないと、よくわからないシーンもあったりします(それにしても、この映画、特段理由もなくなぜか麗水が舞台(3話まで。4話の舞台は日本)なのですが、人口20万人ほどで、当時も今も若干の差別意識があるとされる当所をあげて取り上げて、方言がどうだのといった発言に、何か「積極的な」意味はあるんでしょうか…(かつ出るのみで、麗水の観光地を観光するとか何とかという話は一切出てこない)。

yukispica