「交錯する男女の想いに演劇の魅力が詰まっている。」劇場 林檎さんの映画レビュー(感想・評価)
交錯する男女の想いに演劇の魅力が詰まっている。
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永田(山崎賢人)と沙希(松岡茉優)の出会いから別れまでの軌跡を丁寧にたどる旅。
特に事件が起こるわけでもないが、それぞれの人間性の面白さで物語の中にハマっていく感じ。嫌いじゃない。
そういうところは又吉さんの描く物語の良さなんだなと感じた。
自分も演劇、こと小劇場演劇を見に行くことがある。そこに関わるものたちにとっての大切な何か。静かなる情熱とでも言ったらいいか、そういったエネルギーがこの物語に詰まっている気がしてならなかった。
ラストのシーン、二人が想いあっているのがとてもよく分かる。沙希の部屋に居たと思ったら壁が倒れ劇場の舞台上へ。一瞬の驚きと共に見せてくれるシーンがこの作品をひとつ先へと見ているものを運んでいってくれる。舞台上の役者永田と、いち観客の沙希。その直接的ではない、間接的な会話が観客と一緒に作り上げる舞台というものを越え、心と心の繋がりを印象深く見せてくれた。
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