劇場公開日 2020年7月17日

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「傑作」劇場 みなこさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0傑作

2020年7月25日
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山崎賢人と松岡茉優の演技は
原作に命を吹き込んでいる
同棲中の怠惰な日常が妙にリアルだ

あまりにもリアルだから
まるで自分が数年の恋愛を経験したようだった

自己肯定感が低い男は、些細なことに過敏に反応する。思い通りに行かない現状に苛立ち、女にあたる。褒めたり、愛を囁いたりはしないのに相手を束縛する。自分を無条件に愛する存在を手放したくないから離れられない。

ピュアな女は、そんな男に自信をつけさそうとするが何をやっても響かない。自分が一方的に愛情を傾けることに次第に疲れていく。それなのにいつか変わると信じて男から離れられない。

この二人は共依存だ。

さきが浮気したのに何も触れずに自転車をこいでいるシーンは涙がでた。さきも別れを決めていたはずなのに永田にながされ荷台にのった。普段はあまり話さない永田が、さきに別れ話をさせないように一方的に思い出話を話すところは胸が痛んだ。

火花
同様、ラストは予想外
まさに現代版、太宰治
見た後に心に鉛ができたみたいだ

でも鑑賞後に何かが強烈に遺る作品って傑作ではないだろうか

みなこ