残念なアイドルはゾンビメイクがよく似合うのレビュー・感想・評価
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シーン32はどうなった?
低予算ゾンビ映画の撮影現場の裏側。メイクアップ・アーティストの都築から見た現場でもあり、監督以下、助監督、照明係などのスタッフたちと女子高生役のアイドルたち5人が繰り広げる一日の物語。
どことなく三谷幸喜風でもあり、『カメラを止めるな!』に多大な影響を受けたような作品だった。準主役のサエコが特殊メイクのために弁当を食えなかったり、主役のカナエがアイドルグループ“フェイマシー”の中心だった因縁や、三十路のアイドルたちの絡み。さらに、監督の適当な指示や助監督、照明係の苦労話など、映画好きならば見ても損は無い内容でした。
残念なのは大きな事件もなく、新人ミズホの失態やアイドルを目指す女子たちの葛藤が面白いだけ。個人的には照明に手のブレを加えて光度を調整するところがキモでした。デジタル時代にフィルム撮影というのもいい。
埋もれた作品かも知れないが、見て良かった
正月休みにアマゾンプライムビデオで見ました。
低予算(たぶん)の舞台演劇風のコメディ映画で、ストーリーはベタ、演技はわざとらしい(演出だと思う)けれど、映画を作る人の情熱がにじみ出てくるような映画です。
たぶん、映画館ではほとんど上映されなかったのではと思いますが、見て良かったと思う映画です。
逮捕ジャンパー
低予算アイドルゾンビ映画の裏、メイクルームの中で繰り広げられる人と人のやり取り。
完全ワンシチュエーションの舞台が面白い。
スタッフに出演者、個性的な面々が入れ替わり立ち替わり、それぞれの心の内を吐露していく。
メイクの都築さんがただ一人メイクルームに留まり、それぞれの心の内をふんわりと聞き込み受け止める。
アイドル大好きロリータのエリカ、やる気無さげなヘラヘラ態度のシオリ、三十路過ぎて燻るミサキ、デキる子なだけに傲慢な態度をとるサエコ、元トップアイドルの主演サナエ、緊張しすぎて奇妙なミズホ。
それぞれのマネージャーとの関係性や、監督への態度など、色々な対比が面白かった。
隙など見せてたまるかと言わんばかりのサナエマネージャーが好き。
出演者も製作陣も、誰もかれもが胸の内に色々なものを秘めている。
嫉妬も焦りも不安も不満も当たり前。
悩みに悩むも良し、ぶつかり合うも良し、お気楽もまた良し。
ポロポロと心情をこぼす彼女ら彼らに、適度にドライな空気感は保ちつつそっと寄り添う都築。
大したアドバイスなんてしない、極めて無難なことしか言わないけど、寛容な雰囲気でお母さんのように皆んなと接してくれる、その心地良さが大好き。
メイクに入るタイミングも絶妙。
だんだんぶつかり合い混ざり合い、彼女たちの関係性や人間性が変化していく様が胸を打って、不覚にもポロポロ泣いてしまった。
クサくてベッタベタな言葉、ありがちで安っぽい展開だけどジーンとする。
当たり前だけど、私の好きな人たちも色々と抱えながら活動しているんだろうなと思った。
もちろん裏で支える人たちも。
色々ひっくるめてアイドルが好きになったし、人間が好きになった。
お仕事がんばろーーーと思える。
撮影現場のドタバタも楽しめる。
こんなスケジュール変更されるものなんだとか、光がチラチラするのめちゃくちゃアナログだなとか、たくさんの人に囲まれながらカメラの前で演技するのって本当すごいなとか、色々と発見もあった。
それぞれの今後の活躍を願わずにはいられない。
サナエは脱アイドルの女優として頑張ってほしいし、ミサキはバラドルに向いてそうだし、サエコはエリカのライブに行くだろうし、シオリはプロ意識高めてほしい。
助監督の村田は撮りたいもの見つけてほしいし、カメラマンと監督はこれからもヤイヤイ言いながら一緒に仕事してほしい。
都築さんの話を聞いてくれる人もきっとどこかにいるだろうな。
アイドルだから推しメンを決めたい。
ビジュアルならミズホ、キャラで言えば圧倒的にエリカとサエコ。
シリーズも観たいと思う。途中来たお弁当屋さんは前二作の登場人物なのかな。
現場のママ
撮影現場の舞台裏を描いた作品「メイクルーム」の第三段にして最終章で、5人のアイドル+αが出演する低予算ゾンビ映画の舞台裏を描いた話で、元々舞台演劇だったものを映画に置き換えたものとのこと。
登場人物やシチュエーションは確かに続編だけど、前作の知識は無くても何の問題もなくみられるつくり。
これっぽっちもホラー映画じゃないのにホラー秘宝で上映されるというね。
ドタバタ大騒ぎな撮影現場にやってくるマイナー地下アイドルや30歳超えのアイドル、少し売れて横柄なアイドル、元トップアイドルでその影から抜けられない女優等々の悩みや思いとフォローするメイクさんというところを基本のストーリーにしつつ、その他賑やかしスタッフが囃し立てる展開。
というか、おふざけの方が多いけど。
言われてみれば確かに舞台劇そのままという感じだけど、映画としてみても違和感は感じない。
メインのストーリーは意外性もなければインパクトもなく、コテコテでわかり易く悪くはないよねという程度だけど、テンポの良さとあるあるだったりありそうだったりする笑いが満載で面白かった。
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