「今だからこそ体感したい「ロックな歴史エンターテイメント」!」犬王 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
今だからこそ体感したい「ロックな歴史エンターテイメント」!
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平家物語は知っていたつもりだったが、「犬王」のことは知らなかった。
それは室町時代に「平家物語」が正史とされるタイミングで将軍・足利義満により歴史から抹殺されていたためだ。
本作では、そんな平家の忘れ去られた人々の物語を、森山未來が扮する友魚と女王蜂・アヴちゃん扮する犬王により、歌にのせロックに語ってくれるのだ。
見れば見るほど歌のセリフが伝わり味わいが増していく。
犬王と友魚がバンドとして名声を得て上りつめ、ライブが大舞台になっていき、ついには将軍相手にパフォーマンス!
この下剋上のような展開にテンションが上がる。
映画館の大音響のもと「応援上映」の時のように、ついつい身体をのり出したり歌い出したくなってしまう。
こんな「ロックな歴史エンターテイメント」を待っていた。
湯浅政明監督とキャラクター原案・松本大洋という稀代の才能が生み落とした傑作としか言いようがない。
ラストにおける時を超えた演出では、友魚と犬王の深い愛情物語に心を打たれた。
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