劇場公開日 2022年5月28日

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「室町時代に実在し民衆を熱狂させた能楽師「犬王」の物語を、歴史的な考察を基にアレンジした「能楽」×「ボヘミアン・ラプソディ」のようなLIVEミュージカルアニメ映画!」犬王 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5室町時代に実在し民衆を熱狂させた能楽師「犬王」の物語を、歴史的な考察を基にアレンジした「能楽」×「ボヘミアン・ラプソディ」のようなLIVEミュージカルアニメ映画!

2022年5月28日
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本作は「壇ノ浦の戦い」に敗れた「平家の遺物」が海中に眠る室町時代が舞台です。
友魚(ともな)と父親らが、皇位の証である「三種の神器」の一つである「剣」を探しに海へ向かいます。
その後、友魚は都で琵琶法師と出会い弟子入りします。
一方、能楽師の息子で、「呪い」により特異な体つきをしている少年は友魚と出会い、一瞬にして魂が共鳴するレベルで意気投合し、自らを「犬王」と名乗ります。
この2人が、それぞれの才能を活かし、斬新なパフォーマンスを繰り広げ、室町時代の民衆を熱狂の渦へと誘います。
そして「犬王」は、前人未到の境地に達する度に、「呪い」から解放されていくのです。
このパフォーマンス自体は、現存する能楽が確立する前のものなので、アニメーションならではの斬新な表現が可能になるわけです!
本作の要となる「唯一無二のパフォーマンス」を生み出したのは、名作「夜明け告げるルーのうた」の湯浅政明監督。そして、キャラクター原案は、「ピンポン」の漫画家・松本大洋。
この2人は、東京アニメアワードフェスティバル2015 アニメオブザイヤー・テレビ部門 グランプリを受賞した傑作「ピンポン THE ANIMATION」以来のコラボで、「犬王」は、つかみどころのない「ピンポン」の主人公・ペコと性格が似ていたりと、斬新で独自性のある世界観を生み出すことに成功しています。
また、その音楽を手掛けたのは、「花束みたいな恋をした」「あまちゃん」などの大友良英。
森山未來(友魚)×アヴちゃん【女王蜂】(犬王)というアーティスティックな2人のコラボにより「能楽」×「ボヘミアン・ラプソディ」というイメージで「音楽と映像のシンクロ率が凄いライブ感の溢れるミュージカルアニメーション」でした。
野木亜紀子の脚本も骨格を大きく支え、97分という時間で室町時代にタイムスリップし当時の熱狂を感られる唯一無二の体感型の映画です。

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細野真宏