「強くなった女性と本質変わらぬ田舎町」リベンジャー 復讐のドレス ヨロレイヒさんの映画レビュー(感想・評価)
強くなった女性と本質変わらぬ田舎町
オーストラリアの田舎町。過去、覚えのない殺人容疑をかけられ町を追われた少女が、トップデザイナーティリーとなって故郷へ戻ってくる。体型に合わせた美しいドレスで冴えない同級生女をシンデレラのごとき美女に変身させたことから、ティリーの服は田舎町で大流行。一方ティリーは美しいドレスを作ることを条件に、過去の事件の情報を探る。彼女をいじめた奴らに毅然と立ち向かって行くが……
面白い!スカッとします。衣装も華やか。
最初は嫌な町に自分の力を見せつけてやる!という前向きな復讐。ラストは何もかも失ったゆえの復讐。サブ的に描かれる母娘愛や夫に虐げられていた妻の復讐(無意識含む)も好きです。
回想シーンで過去のティリーは殺人容疑前から町の人にひどい仕打ちを受けていますし、帰ってきてから理解者となってくれた男には死なれ、紆余曲折経て和解できた愛する母も死にます。そりゃラストあんなことしてもしょうがない。
美しいドレスで魅了したり強い調子で町民に対抗するシーンは、何の力もなくいじめられっ子だった過去から美しいドレスを作れるという「力」を得たティリーに成長したんだなという感慨があります。
テディがサイロに入って死ぬとか、特に理由なく母が行動し始めて間もなく死ぬとか、わりと早く屋根から物を眺める趣味があったと分かるバーニーに事件の真相を聞きに行かないのは、ちょっとティリーを追い詰めるためのご都合かなと感じますが、それでもこれだけの数のキャラクターがそれぞれ個性を持ってエピソードを絡めていくストーリー展開は面白かったです。
クソ医者が昔DVしていた妻に支えられず死んだり、クソ市長が金目当てに結婚して病ませた妻に「私はどうせ病気だもんね」と刺され死んでいくシーンも個人的にスカッとする好きな所です。