「視線が操った炎に惹かれた。」燃ゆる女の肖像 だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
視線が操った炎に惹かれた。
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前半は盛り上がりに欠ける感じだなあと思っていたが、使用人の女の子が妊娠した、原っぱの女だけの祭りで女たちが歌ったあたりから引き込まれた。
その原っぱで、火の裏にいるエロイーズを見つめるマリアンヌの視線が、炎を操りスカートを燃やした、ように思えて、ぞくっとした。
そのあとは、惹かれあう二人のひと時のロマンスを堪能した。
使用人の女の子が妊娠したけど、全然望んでなくて、なので(流産するように)走りまくったり、棒からぶら下がったりしていた。最終的に多分手で掻き出す処置を、地域の女性(産婆?)にしてもらってた。その処置の間、使用人の女の子のそばには、赤ん坊が寝転んでいて、その対比が切なかった。
生理痛の緩和に温めた豆?をおなかに当てるとか、生理にまつわる文化史ってあまり触れられないから新鮮だった。
17世紀のブルゴーニュ地方の島が舞台らしいが、それは映像からは読み取れなかった。
映画には関係ないけど、中絶を私は悪いことだとは思ってない。その必要があるなら選択できるべきだと思う。
妊娠に至る行為そのものを望んでいなかった場合だって大いにある。妊娠させた男は逃げることが簡単にできる。
そんな現状で、中絶を殺人だと女を糾弾するのは絶対おかしい。
妊娠させた男も等しく糾弾するならばまだ議論になりうるが、そうではないのだし。
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