「この激情は…」燃ゆる女の肖像 MARさんの映画レビュー(感想・評価)
この激情は…
18世紀フランス。ある貴婦人に、娘のお見合い用肖像画を描いてほしいと依頼された画家と、結婚を嫌がる娘との間に巻き起こる恋愛劇。
娘のエロイーズは結婚を嫌がっている為、マリアンヌは画家ということを隠し、陰で肖像画を描かなければならないという難しい展開。
しかし、2人近くで過ごすうちに、お互いに特別な感情が芽生え始め…といった物語。
一部を除き、BGMの一切ない静かな進行でありながら、セリフのひとつひとつが意味深というかロマンチックというか、聞き流すことができずに惹き込まれる。
許されぬと知りながら互いを想い交わり合う2人。しかしそれでも別れの日、エロイーズがああ言ったのは、愛されていたと思いたかったからか?或いは!?
そして一番大事なシーン。
単に気づかなかっただけなのか?敢えてなのか?
だとしたら彼女の想いは…。
所々で観客に解釈を委ねられるような場面があるが、本作を考察する上で欠かせないのが、ギリシャ神話のオルフェウスの話(とはいえ私も知らなかったのですが)。
この物語では「振り返ること」に、特別な意味があるのですが…。
女性の社会進出がまだまだ薄かった18世紀、さらに女性同士の恋心という難しい状況。
それでも燃え上がってしまう想いを2人はどうしようとしたのか!?
いつまでも観ていられそうなラストシーンに、皆さんも燃え上がること間違いなし‼
この激情は、是非劇場で体感してほしい!
ミニシアターランキング3週連続1位は伊達じゃない!!
…と、宣伝みたいなレビューになってしまいましたが、ホントにラストはトリハダモノ。
個人的2020年映画ランキングも固まってきたところで、突如出逢ってしまった強豪作品だった。
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