「ちゃんと睡眠を取ってから見た方がいい。」燃ゆる女の肖像 せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
ちゃんと睡眠を取ってから見た方がいい。
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婚約を控えた貴族の娘の肖像画を描くために、フランスのある島の館にやってきた女性画家の話。
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この話すごく『君の名前で僕を呼んで』に似てるなと思った。ひと夏の恋、男同士、舞台はイタリア、ラストはエリオが泣いているのを正面からくつして終わる(音無し)。
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これを全部逆にすると『燃ゆる女の肖像』の話になると思った。ひと冬の恋、女同士、舞台はフランス、ラストはエロイーズがそっぽを向いて泣いているのをうつして終わる(大音量のオペラ)。
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あとは、毒蛇から妻を救うために地上に戻る際、絶対に妻の方に振り向くなと言われていたのに振り向いてしまい永久に妻を失ったオルフェウスの神話が出てくるんだけど、これ『窮鼠はチーズの夢を見る』でも出てきてる。
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今ケ瀬が見ていた映画はこのオルフェウス神話を元にした『オルフェ』という映画で、だから『窮鼠』の2人は向き合うと上手くいかなくなるのよね。
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こういうのを考えると最近のLGBTQ映画の流れって全部同じ流れの中にあるのかなと面白かった。
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思えば初めて2人が対面する時も先を歩くエロイーズが振り向いていて、だからこそマリアンヌは彼女の顔を見れて絵を描くことができる。でも絵が完成するとエロイーズは嫁ぎに行ってしまう。
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この映画の中で振り向く行為を肯定してるマリアンヌは、いずれ別れなければいけないと決まっていても、見つめ合って絵を描くという一瞬の大きな幸せを掴んだのかな。そして最後エロイーズが一度も顔を向けてくれないのに繋がってきて悲しい。
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なんか途中めっちゃ眠たくてそんなハマってないなとか思ったけど、これ書いてるうちにすごい良い映画だったんだと実感している(笑)
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