覗かれたい女 視線のエロスのレビュー・感想・評価
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変人男vs変人女。華麗なるピッキング対決が見どころ。
人の家に不法侵入して悦楽に浸る変人青年フリオ。クリーニング店で働いているが、気になる女性ソフィアの赤いドレスを撫でているだけで幸せな気分になれるのだ。店長からも変人扱いされていたが、アイロン掛けばかりじゃ給料が少ないから接客もしなさいと言われるも、実は2か月分も給料が未払いとなっている。彼にとっては仕事なんてどうでもいい。趣味の空き巣が幸せを感じられるひとときなのだから・・・。履歴書には両親もいなくて、天涯孤独の身であると嘘を書き、実はたまに両親の住む実家に帰っている。そして住んでるアパートでは家賃滞納で追い出されようとしているのだった。 『アンダー・ユア・ベッド』に似ているのかと思っていたら、実は『うつせみ』のほうに似ていた。人の家に入り、盗みを働くわけでもなく、時折掃除までしている。本を盗んだシーンもあったが、代わりに自分の本を置いてくるという徹底ぶり。そんなある日、ソフィアが直接クレームを彼に伝える。「赤いドレスを着ると、脱がされたくなってしまう」と。お、上流階級の美女にもフリオの変態が伝染したのか?!「今夜、家に来て」と言われ、完全に不法侵入がバレバレで警察に訴えられるのかと思っていたら・・・誘われてしまったのだ。そんなフリオは直接的な行為は苦手な童貞ボーイ風。そそくさと逃げ帰り、店も無断外出したためにクビ・・・ やがて家賃滞納のために追い出される羽目になるのだが、そんな彼の部屋に女性がいたのだ。誰?僕の得意技の不法侵入しやがって!と、その料理学校に通うマラという女性を狙って、今度はマラの家に侵入。盗み目的ではない。空気のような存在になって部屋を支配したい欲求を満たすためだけなのだ。そしてベッドの下にも潜り込み、彼女が寝ている間も空気を支配した・・・つもりだった。マラにはばれてしまったようで、外から板を打ち込まれ、今度は部屋から出られなくなってしまった。空気対空気。空き巣対決とはここまで空虚で清涼感溢れるものなのか。そして、ソフィアの部屋に侵入していた頃から、マラに狙われていたのだと悟り、敗北感をも味わうのだ。 アパートを追い出されてもフリオにとってはどうってことない。ピッキング道具さえあれば、どこの部屋でも彼のもの。だったのだが、負けたことが原因なのか、実家にこっそり帰り、ベッドに横たわるフリオ。気になるライバルのマラ。好きになってしまったのか。と、うとうと寝てしまうと、何と彼女はフリオのベッドの下に!!! と、ここまで書いてもネタバレ気味だが、空き巣同士の純愛物語ともいうべきストーリー。セリフも少なく、読み取らなければならないのですが、どうしてもわからない序盤のピンクのパンティとanaという名前・・・まさか全日空ではあるまいし、同僚の高齢おばちゃんの名前でもあるまい。他にも説明不足のシーンがちらほら。さらにソフィアからは誘われていたが、店長からも好かれていたようなふしがある。まぁ、謎は誰かと語り合うとして、妖艶なるアンダーベッド対決がやっぱり印象に残る。ちなみに日本語タイトルに騙されてみたけど、違った意味で面白かった。
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