劇場公開日 2019年6月28日

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「並行する2つの物語に重なる3つの悲劇という前作を凌ぐ複雑な展開ながらあくまでコミカル、ほぼインド映画フォーマットの韓流スペクタクルファンタジー」神と共に 第二章 因と縁 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0並行する2つの物語に重なる3つの悲劇という前作を凌ぐ複雑な展開ながらあくまでコミカル、ほぼインド映画フォーマットの韓流スペクタクルファンタジー

2021年5月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

前作で色々あって怨霊となってしまったために地獄へやってきたジャホンの弟スホンを助けるために地獄裁判で弁護することを買って出るカンニムと、その裁判を開く条件としてとうに寿命が尽きているにもかかわらず死なない老人チュンサムを冥界に連れてくることを閻魔大王に命じられたヘウォンメクとドクチュンの物語。

ちなみにマ・ドンソクはチュンサムを守り続ける守護神ソンジュ神・・・お話としてはほぼ前作と関係がなくなっています。果たしてスホンは無実なのか、チュンサムを冥界へ連れて来れるのかという2つの全く関係のない物語が並行して進められていくわけですが、そこにソンジュ神によって語られる1000年前に起こった3つの物語が絡んでくるという壮絶な展開。これだけでももうお腹いっぱいなんですけど、さらになぜかヴェロキラプトルが出てきて現代韓国の世相もぶった斬る展開が待っている、要するにもうほぼインド映画のフォーマット。次から次へと広げられる風呂敷をただ茫然と見守るしかないわけですが、そんな荒唐無稽をしっかりと支えているのが圧倒的なクオリティのCG映像と生身のアクション。ここで一切手を抜いていないから一歩引いてみるとバカ丸出しの話・・・だって地獄裁判ですもん・・・に圧倒的な没入感をもたらしています。同じことを邦画でやったら大事故起こすやつです。

残念ながら複雑に絡み合う物語全てに力がこもっているので映画全体の印象が一つにまとまり切らず、前作にあった壮快なカタルシスが少々薄味にはなっていますが、その分俳優陣の魅力が丁寧に研ぎ澄まされていて、そこにも邦画との力量差を見せつけられました。そしてやっぱり何といってもマ・ドンソク。腕組みして立っているだけで主役を食ってしまう圧倒的な存在感に感動しかないわけですが、世間的にはこれがマブリー映画であることすら認知されていないことに寒気がします。

よね