「罪と赦し」神と共に 第二章 因と縁 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
罪と赦し
韓国冥界エンターテイメントの後編。
前作の話は完結したが、あのラストを受けての続きと、新たな物語が展開する。
前作でジャホンと3使者を襲撃した怨霊の正体は、ジャホンの弟スホン。
本来怨霊は消滅させなければならないが、スホンもまた貴人であり、3使者は7つの地獄裁判を受けさせる。
スホンが貴人として生まれ変われれば49人目であり、3使者も生まれ変わる事が出来る。
が、怨霊だったスホンに地獄裁判は猛反対。
そこで、閻魔大王からある条件が。
まず、スホンは無念の死か…?
一応前作で、軍の部下の誤射で死亡…とされているが、
それは無念の死か、過失か。
無念の死ならば生まれ変わりの余地があり、それを明らかにする。
それと、
現世でとっくに寿命は過ぎているのに、冥界に召されない老人が。その老人を冥界に連れてくる事。
カンニムとスホンが地獄裁判巡り、ヘウォンメクとドクチュンが現世の老人の元へ。
二手に分かれての、“冥界ミッション:インポッシブル”!
善人の兄ジャホンと違い、皮肉屋で減らず口の絶えないスホン。
手を焼くカンニムから、時にキツ~イお仕置き。
あの舟の帆にくくり付けての“人間フィッシング”はかなりエグい。
カンニム使者、お戯れを…。
ボロ家で幼い孫と貧しい二人暮らしの老人。
もう一人、同居人が。“叔父さん”と呼ばれているが、その正体は、
“屋敷神”であるソンジュ神。
この祖父と孫の余りの不幸不運さに心を痛め、見守っている。
孫が小学校に入学するまで。
ある取引をする。
ヘウォンメクとドクチュンも協力。屋敷神故人には手を出せないソンジュ神に変わって借金取りを撃退したり、祖父亡き後孫が一人で生きていけるよう児童擁護施設で相談したり。
かつて冥界の使者だったソンジュ神。ヘウォンメクとドクチュンの過去を知っている。
過去の記憶を消されたヘウォンメクとドクチュン。その過去を教える事。
ヘウォンメクとドクチュンの過去は、意外な繋がりあり。
千年前、最強の武将だったヘウォンメク。ドクチュンはある部族の娘。
千年前にも会っていた二人だが、悲劇的な関係が。さらに、二人共、ある者に殺された…。
カンニムも道中、自分の過去を話す。ヘウォンメクとドクチュンと違い、過去の記憶があるカンニム。
彼もまた千年の同時代に生きた大将軍。
亡き偉大な父の後を継ぎ大将軍となったが、生前父は血の繋がりの無い弟に目を掛けていた。
が、ある日カンニムは無念の死を遂げた…。
この“無念の死”がスホンと通じる。
スホンの死は過失とされているが、殺された“無念の死”の可能性が…。それも、信頼していた仲間によって。
現世から証人を召喚し、徐々にそれを明らかにしていく。
何故カンニムは、こんなにもスホンの無念の死に拘るのか…? 生まれ変わりに固執するのか…?
実は、自身の過去と関与する罪を罰し、“ある者たち”へ赦しを乞いたいカンニム。
自分の為ではない。犯してしまった罪の償い…。
スホンの無念の死を明らかにすると共に、自分の過去とも向き合うカンニム。
やがてそれは、ヘウォンメクとドクチュン、そして閻魔大王も関係する衝撃のクライマックスへ…!
ビジュアルのインパクトやアクションの見せ場は前編の方があった。(本作もハリウッドの某恐竜映画みたいなシーンあり)
カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン、閻魔大王の過去と関係も途中から予想出来る。
しかし分かっていても、引き込まれ、興奮と熱い感動。
何故前編での7つの地獄裁判を前後編に分けてじっくり描かないのかと思ったが、本作を見れば納得。本作は本作で大ボリュームの内容。
…いや、前編よりドラマ的に濃く、見応えあった!
前編がこの冥界ワールドの概要と、ある罪と自己犠牲の話ならば、
後編は、3使者のドラマと、ある罪と赦しの物語。
最後は後味良し。
祖父と孫。ソンジュ叔父さんのファンド、遂に遂に上向きになったし。
それに、カンニム、ヘウォンメク、ドクチュン、3使者のやり取りをもっと見ていたい。