「7つの裁判を受ける「冥界のルール」」神と共に 第一章 罪と罰 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
7つの裁判を受ける「冥界のルール」
冥界を旅するファンタジーロマンアクション。
想像以上に面白くて、またまた、韓国映画のエンタメ性に感服しました。VFXもハリウッドに負けていません。(惜しみなく費用を掛けているに違いない)
使者のカンニムとヘウォンメクが格好良すぎ。黒いロングスーツを身にまとい、超高速で空飛びながら怨霊を追いかけるシーンは、「マトリックス」みたいでした。童女のように可愛いドクチュンが冥界に光をもたらしているようにも思えました。
第一章と第二章に分かれている続編映画なので、最初はちょっと見るのに気合いが要りましたが、見てみたら面白くて、第二章も続けて見てしまいました。本筋のストーリーが全く別のものなので、第一章だけ見ても大丈夫です。時間はやや長めですが、それほど時間の長さは苦痛になりませんでした。
人は死後、必ず、49日間に、冥界(地獄)で7つの裁判を受けることになるらしい。裁判すべてをクリアしたものだけが、晴れて「現世に生まれ変われる」ことができるという。
消防士として殉死したキム・ジャホンは、冥界の使者(亡者の弁護&警護)、カンニム、ヘウォンメク、ドクチュンの3人に導かれて、冥界で裁判を受けることになるのですが、キム・ジャホンがいい人過ぎるオーラ全開でした。19年ぶりの貴人(生前に善行を積んだ、超善人とでもいうか)なので、七つの地獄での裁判(殺人・怠惰・ウソ・不義・裏切り・暴力・天倫)をラクにスルーできると思ったのですが、最後の天倫地獄(親不孝の罪を問う)で、待ったがかかります。その過去の経緯については、ちょっと無理にストーリーを生み出した感があります。でも、さすが、韓国。うまく、親子の絆にからめてありました。
それにしても、死後、極楽(天国)へ行くというストーリーはなく、地獄へ行き裁判を受け、裁判を通過できたら、生まれ変わることができるというのは、韓国独特の死後観なのか。
「悪いことをしたら地獄へ落ちるぞ」という、善か悪かの単純なキマリ事があるので、子どもが見ても理解できる内容になっていると思います。
最後に第2章への誘い予告がちらりと。次はマ・ドンソク兄かと。(笑)
余談ですが、閻魔大王のイ・ジョンジェ、最近見た『観相師』で、ものすごく悪いヤツ(王座を奪う首陽大君)を演じていて好演でした。閻魔大王も納得の存在感でした。