劇場公開日 2020年1月25日

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彼らは生きていたのレビュー・感想・評価

全76件中、1~20件目を表示

4.0音と映像。映画の2大要素はどう相互に作用するのか

2020年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

個人的にモノクロだった映像や写真をカラーに復元するのが好きではない。モノクロにはモノクロの真実があると思うので。AIによって色を判定してカラーにする技術がもてはやされいるのだが、人間が目撃した真実をAIが判定するというのはどうなのか。しかし、本作のカラーの使い方は上手い。どこをモノクロで見せて、どこをカラーで見せるのか。そこに当時生きた人々の思いや熱量を乗せていた。音声にも注目しないといけない。読唇術のプロを起用して彼らが何を話していたのかを読み取りアフレコしており、さらに環境音なども追加している。臨場感は格段に向上している、だがそのまま全てそれを真実を思うべきでもないのだろう。我々は戦争を映像越しにしか体験したことがない。そんな我々にとって、クリアな音声とクリアなカラーによって蘇った映像は、「リアル」だと感じさせる。しかし、「リアル」とはなんだろうか。 この演出に説得力を与えるのは膨大な兵士の音声インタビューだ。これがないと本作の真実性を担保できなかったかもしれない。映像だけでは足りなかった、音だけでも足りなかっただろう。音と映像どちらが主でも従でもなく、対等な関係を保っている作品だったことが本作の成功要因ではないだろうか。

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杉本穂高

4.0100年前の生の証言からわれわれは何を読み取れるか?

2020年3月23日
PCから投稿

1910年代の記録映像を加工し、カラーにしてコマを補完して、唇の動きをもとにアフレコをして、効果音で戦場の音を再現する。「これはドキュメンタリーなのか?」という議論は起きてしかるべきだし、戦争というテーマを離れて、映像とリアルの関係性について考えるいい機会になっていると思う。 とはいアフレコされた音声が作品としての方向性を決定づけているわけではなく、本当に第一大戦に従軍した元兵士たちの膨大な証言がベースになっていて、その点では間違いなくオーラル・ヒストリー・ドキュメンタリーになっている。 非常に印象に残っているのが、国家的高揚と戦場の現実との対比と、前線の状況を受け入れるしかない兵士たちの無常観にも似た境地。映像技術が成し遂げたことも凄いが、やはり、生の証言を積み重ねることで(もちろん演出意図によって再構成されているが)生まれる重みにこそ、本作の真価が宿っている気がしている。そしてひとつひとつの証言の意味が、見方を変えることで百通りに違ってくる非常に多層的な作品である。

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村山章

4.0彼らの笑顔が忘れられない

2020年1月31日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

怖い

最も衝撃を受け印象に残ったのは、カメラを向けられた前線の兵士たちの“笑顔”だ。訓練中の新兵や、後方部隊の兵士たちならまだわかる。だが、前線で仲間の死を目の当たりにし、塹壕の劣悪な環境に耐え、明日の運命も知れぬ彼らが一様に、カメラに向かって笑いかけるのだ。1910年代、まだ映像用カメラでの撮影が珍しく、被写体になる照れくささもあるだろう。それでもなお、彼らの笑みは意外だったし、極限状況での人間の強さのようなものを感じさせもした。 ピーター・ジャクソンが優秀なチームと最先端の技術を駆使し、色と音を加えて“蘇生”させた100年前の映像は、戦場のリアルを間近に体感させるのと同時に、たとえば前線の兵士は憔悴や悲痛の表情を浮かべているはず、といったような先入観を打ち砕く。あの笑顔の奥で、彼らは何を感じ、何を願っていたのか。技術が記録映像に命を吹き込むことができることを証明する好例だ。

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高森 郁哉

4.5PJはまたしても映画の革命を起こしてくれた

2020年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

『指輪物語』を手がけた巨匠がどんな作品を手がけるのか。それは世界中の関心事なはず。その点、ピーター・ジャクソンは「伝えるべき内容」と「伝えるための技術」の相性が絶妙にマッチした題材を、観る側が全く予想もしなかった角度で提示してくれた。モノクロ映像の本編にやがて色味がついた瞬間の「あっ」と声を出してしまいそうなほどの衝撃。被写体となった兵士一人一人の表情が克明に胸の中へ流れ込んできて、これまでの戦争映画では感じたことのないザワザワした思いがこみ上げた。それは死を伝えるメディアが生を伝えるメディアへと進化を遂げた瞬間でもあったように思う。そこには体温がある。感情がある。今からほぼ100年前を生きた人々と真向かうことは、その体験そのものが「戦争」や「生と死」について考え、ひいては「映画の可能性」についてもう一度捉え直すことにも繋がっていくはずだ。PJがまたも革命を起こしてくれたことを嬉しく思う。

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牛津厚信

2.0☆2は映画として面白いかどうか。この映画が素晴らしいかどうかではない。

2022年10月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画として面白いかと問われれば。つまらなかったし、後半は映像の使いまわしで正直辛かった。 ただ白黒で見る映像、写真がカラーになってるだけなのに、なぜかそれが現実であることを突き付けられ幼な気がする。見る価値はあると思う一本。

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たやん

5.0なんか凄いものを見た、という感じ。

Mさん
2022年10月2日
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鑑賞方法:映画館

ちょうど、「1917」を見た直後だったので、インパクトが2倍になった。 100年前の彼らはもう歳をとらない。(題名そのままだが)

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M

5.0戦争のこと

2022年3月21日
PCから投稿

BBCおよび帝国戦争博物館が収蔵する第一次世界大戦に参戦した英国退役軍人、百数十名分のインタビューに基づくドキュメンタリー。 募兵に呼応し6週間の訓練を経て前線へ。生々しい戦闘から終戦、復員までをインタビューとカラー化した当時の映像で追っている。 戦地はフランスとドイツの国境。荒野に塹壕が巡っている。1917の内幕映画と言っていい。あるいはポールマッカートニーのPipe Of PeaceのPVならもっと近い。 無邪気な志願兵たち。戦争にためらいがない。マークトウェインの失敗に終わった行軍の個人史のような人情味。なんか面白いことがあるかもしれない──およそ他愛ない動機で参戦した青年たち。 戦場は泥濘まみれ。泥と糞と屍体と紅茶とライフルと銃剣が一緒くた。戦友を思い遣り境遇に不服を言わず、どうせ死んじまうんだ──諦観が恐怖をしのぐ。みな異様なほど陽気で勇敢だった。 突撃時機関銃の掃射によってほとんどがしぬ。敵地で地獄のような肉弾戦。国のために尽くし命からがら生き延びても復員すると社会から疎外される。はじめから終わりまで息を呑むリアリティだった。 いまロシアのウクライナ侵攻(2022/02/24~)の只中にある。 ウクライナでは総動員が発令されていて市民が戦っている。 わたしは戦えるだろうか、と考える。この侵攻がはじまってから「おれは戦えるのか」ってことを、よく考える。 ウクライナの対応について、抗戦せず降伏すればよい──そのほうが多くの命も助かり被害も少ない、との意見がある。それが日本国内では結構な定見になっている。 が、東スラブの歴史を知らず、何十年も戦争を経験していないわたしたちが、他国の方針にベキ論を繰り広げるのはおかしい。 侵攻がはじまってから国防論が紛糾しているが、国防の核心はわたし/あなたは戦うのか──ってこと、ではなかろうか。国家間のシステムや核武装に守られる──と考えるなら自滅するだけのような気がする。 どこの誰であれ、どんな思想信条であれ、戦場にはシンプルな人権がある。一緒に戦う者なら信頼できるってこと。戦ったことがある者がはじめて意見を言える。 俺は戦えるんだろうかとよく考える。考えてるからって、なんの意味もないが、考えてしまう。

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津次郎

5.0鎮魂のドキュメンタリー

2022年2月27日
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戦争を崇めるわけではない。慰霊という体裁で軍事を支持するわけでもない。静かに記録を残す。汚い戦場のボロボロの姿をありのままに。戦争は美しくない。人を汚すのである。

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fmovie2

4.0悲惨な戦争の中での人間味も描くが、これからの戦争ではそれさえも…

2021年7月12日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

録画していたBS放送分を再鑑賞。 こんな手があったかと感心させられる 見事な作品だ。 第1次世界大戦関連でも「西部戦線異常なし」 や「ジョニーは戦場に行った」などの数々の 名作映画があるが、これは、ジャクソン監督 のアイデンティティーに基づく執念と 編集能力・労力が結実した映画史上の ノンフィクション反戦名画といえるのでは。 NHKでも「映像の世紀」という素晴らしい ドキュメンタリー作品がある。 世界中にはそんな貴重な記録フィルムが 膨大にあるのではないだろうか。 物真似でもいいだろう、 そんなことは人類が再び過ちを犯さないこと に比べたら些細なことに過ぎない。 戦争の悲惨さを伝える 第2・第3の「ゼイ・シャル…」が生まれる ことを期待したい。 ただ、この過去の戦争では、 悲惨な中でも人間味ある交流も 可能だったことが描かれた。 国家同士が敵対していたとしても、 個人間では繋がれる要素を残した時代 だったとも言える。 しかし、現代は格段に恐ろしい状況だ。 これからの戦争ではそんな個人間の繋がり云々なんて言っている前提は無く、 一瞬にして全てが灰燼に帰することに なってしまう可能性のある時代に 我々は生きているのだろうから。

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KENZO一級建築士事務所

4.0非常に濃い作品

2020年8月29日
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100年前の話 決して色あせなくわすれてはいけないこと。 戦場には笑顔もあったり、楽しみもあった。また改めて1917を見たくなった。

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たかひろ

5.0100年以上も前の戦争

2020年8月23日
iPhoneアプリから投稿

総力戦、国民総動員の長期にわたる消耗戦だった。 初めてこの戦争をリアルな出来事として感じたのは、シドニーで終戦記念日にたまたま遭遇した時だった。歴史の教科書の出来事が、遥か遠く離れたここにも繋がっているとなんだか実感した。オーストラリアも参戦し犠牲になった人も多かった。 今の私たちは声や音が入るカラーの映像を見慣れているから、モノトーンの動画からリアリティを感じにくいのかもしれない。 地雷の炸裂も効果音、色をつけてないと、ゲームの一場面?かもしれない。 少年兵、塹壕、突撃、死、怪我、毒ガス、合間の楽しみ、カメラ目線、無意味な戦争とかけがえのない時間という異様な取り合わせ。 人間は最悪の事からでも何か学ぶ。 でもこんな事をやり方は変わっても未だにやっている。まだまだ学び足りないのだろうか?

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Momoko

4.0私たちに伝え教えてくれる為に、彼らは生き続ける

2020年8月18日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

怖い

興奮

第二次世界大戦の映像や音声は多く残されているが、第一次世界大戦となると、そう簡単にお目に掛かる機会は無い。それだけで見る価値あり。 イギリスの帝国戦争博物館に残されている第一次世界大戦の貴重な記録映像を基に、ピーター・ジャクソンが再構築・再構成したドキュメンタリー。 だが、ただそれだけじゃない。 第一次世界大戦は今から100年も前なので、モノクロで映像は所々劣化。退役軍人のインタビュー音声は残されているが、フィルム自体の音源はナシ。 それは当然で、勿論どれも貴重なのだが、作品自体はちと物静かな単なる“記録映像”。 が、それが驚くべき変化を遂げる。 映像がモノクロからカラー化! 音も付く。 2200時間にも及ぶ記録映像の中から、ピージャクが最新デジタル技術を駆使して、修復・着色。音声や効果音も追加。 製作~完成までに3年。ある意味、『ロード・オブ・ザ・リング』に匹敵する途方もない作業。 が、その甲斐あって、その時代が鮮烈にそのまま蘇ったような、圧倒的な臨場感。 まず、最初のモノクロ・シーン。 戦争に次々志願する若者たち。 国の為に! 戦う事こそ栄誉! 入隊して厳しい訓練。 “戦争”に感化されていく…。 どの国も同じ。 カラー化は主に戦地に赴いてから。 ここで目を引くは、兵士たち。 他愛ないお喋りしたり、笑い合ったり、食事をしたり、排泄中思わぬ“事件”が起きたり…。 今の我々と同じ。 彼らも一人一人の若者なのだ。 仕事内容が違うだけ。兵士の仕事。それは… それがまた胸重苦しくなる。 もし、戦争なんか無ければ…。 カラー化した事により、戦地の生々しさが恐ろしいほどに。 あちこちに死体、頭を撃たれ身体を撃たれ、シラミやネズミがはい回り、腐乱した死体…。 サム・メンデス監督の『1917』はかなりリアルに戦地を創造。 しかしこの映像は“リアル”ではなく、“本物”なのだ。 そして、戦場。 着色・着音しているとは言え、苛酷で熾烈。 空高くまで爆発する地雷に背筋が凍った。 爆発音、飛び交う銃弾の中、戦場を駆け、次々倒れていく…。 戦争は今も何処かで続いている。 100年も前も、その遥か前も、そして今も、人間は同じ過ちの繰り返し。 人間の歴史は戦争の歴史。人間がこの世から居なくならない限り、戦争も絶対無くならない。 かと言って、人間はただ愚かなだけじゃないと信じている。 ピージャクやサム・メンデスの二世代前が第一次大戦。 私たちの二世代前が第二次大戦。 私たちは戦争経験が無くとも、私たちの身体に、戦争を経験した血が流れ続けている。 が、不安なのはこれからだ。 私たちの一世代後、二世代後、三世代後…。 戦争を経験した血が薄れ、戦争の記憶がどんどん風化していく。 それこそ戦争をゲームでしか知らない世代が、ゲーム感覚でまた戦争を始める。 バカみたいな例えかもしれないが、絶対あり得ないとは言い切れない。 その為に… 彼らが居る。 私たちの為に。 これから産まれてくる未来の為に。 二度とこんな過ちを犯してならないと、伝え教えてくれる為に、彼らは私たちの記憶と記録の中に生き続けるーーー。

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近大

3.0第一次世界大戦のドキュメンタリー

2020年8月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

第一次世界大戦がはじまり、イギリスで志願した男たち、それなりの訓練を経て、ベルギー戦線に投入される。 そこは地獄絵図で現存するフィルムで詳細に映し出される。 そして終戦、これを従軍した人たちの証言と、カラー化された映像で描いていくが、見るのが辛くなるところも多い。

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いやよセブン

4.5戦争の無意味さと残酷さ

2020年8月11日
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WOWOW鑑賞。 少し前に東大の学生が第二次大戦の白黒写真をカラー着色した、という新聞記事があったが、白黒がカラーになるだけで現実との地続きであることをはっきりと意識させてくれる。 博物館の資料を修復したり、読唇術で会話を再現したり、並々ならぬ執念がある。 話している人たちも実際の戦争経験者で、「誰」ということを特定させず多くの中の一人という感覚で終始徹底している。 監督はギャラもほとんど受け取っていないそうだが、そこまでして撮りたかったものとは、本当に「彼らは生きていた」ということを知ってほしいということだろうか。 リアルな塹壕、戦場、死体、束の間の息抜き。全て想像でしか見たことないものが現実だった。仕方ないことだが、戦闘場面のイラストには少し面食らってしまったが。 フィクションではよくあるが、戦場を経験した人とそうでない人にはあれほど感覚に差が出るものか。 「戦争は無意味だ」

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うむぼんず

3.0ドキュメンタリー・・・

2020年7月28日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

戦争のドキュメンタリーって観るのしんどいです。 現代の日本では平和ボケしてるくらいだが、しかし、二度とこんな戦争が起きないように、しっかりと歴史を経験しておくことが大切なのかも。

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りあの

4.5リアルの怖ろしさ

2020年7月26日
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鑑賞方法:映画館

すごい やはり、リアルに勝るものはない。 白黒やアニメだと、どこか遠いことのように客観的に感じていたんだなぁ。という自分の感覚に気付いた、 カラー加工により、すごくリアルなものに感じて、本当に怖くなった。悲しくなった。 生きていた人たちが、たくさんの若者が、戦争の犠牲になっていた。嫌だ。 本当に、二度とこんなことが起こってはいけない。起こらないで欲しい。 映像とともに流れる戦争体験者の言葉がささる。 すべて字に起こして欲しい。残して欲しい。 残さなきゃ。

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hkr21

4.5やりよったな、ピージャク

2020年6月25日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

 映画館で観終わった後、スターチャンネルで録画してあった「ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド」をチェックした・・・あ、一緒やん!ビックリしたが、単にタイトルが原題のままだったわけか。と、すぐに消さずにやっぱり再見してしまった。  かなり仕掛けがいっぱいあるピーター・ジャクソンのドキュメンタリー。全編に退役軍人のインタビューが流れているという特徴の中、序盤ではモノクロ映像のままで、戦地に旅立つ前のイギリス兵の様子を映し出しているのですが、これが好戦的というか、戦意高揚させる内容のものばかり。ドイツを叩きのめすだの、19~35歳という年齢制限がありながらも年齢を誤魔化して19歳未満の志願兵たちがいたこと。臆病者を表す「白い羽根」のエピソードなんてのもありました。  戦地に着任してからはカラー映像。どうやって着色したん?とか、兵士たちの会話が見事に入れられてるやん!とか、音響すごすぎ!といった驚きの連続。ジグザグに掘られた塹壕の生々しさ。死体の血の気を失った顔の色や、血をどぎつく着色しているところは、さすがホラー出身のピージャクだ。  中盤では西部戦線が小康状態になった際の兵士たちのリクレーションも描かれ、酒、タバコ、ギャンブル、売春宿など、どこか笑えるシーンも満載。「戦争にはどこか滑稽さがある」といった言葉も印象的で、序盤の雰囲気も一転する。それが終盤、前線でドイツ軍に突撃することになって、悲惨さを強調していくといった構成になっています。  戦争の虚しさ。何のために戦っていたんだという回顧の言葉。ドイツ人といってもたちの悪いのはプロイセン人だとか、兵士たちの色んな思いが詰まっていた。最初は敵を殺すことに躊躇っていたのに、白兵戦となったら殺戮したい欲求にかられるといった極限の心理状態も伝わってきました。戦争は何も生まない。破壊、殺戮があるのみ。最も印象に残ったインタビューが「ラグビードイツチームと試合後、食卓で団らんしている時にイギリスの宣戦布告の放送が聞こえた」という人。「とりあえず今日は聞かなかったことにして・・・明日から」

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kossy

3.0疑似体験

2020年6月21日
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鑑賞方法:映画館

第1次世界大戦の記録映像を再構築して制作したドキュメンタリー。このように再構築してしまう技術とアイデアが素晴らしい。インタビューの説明シーンが長すぎる印象もあるがそれを補う迫力の映像で第1次世界大戦を疑似体験出来る貴重な作品。 2020-101

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隣組

4.5誰も殺し合いなんてしたくない

2020年6月15日
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鑑賞方法:映画館

第一次世界大戦のイギリス軍の映像と証言を繋いでモノクロ映像をカラー着色で、ロード・オブ・ザ・リングのピーター・ジャクソン監督が手掛けたというから凄い。 兵士が志願してから過酷な戦地に行き地獄を見てから帰るまで、残されていた映像と肉声が生々しい。 嬉々として流行に乗るように我先にと志願する若者。年齢をごまかして入隊した15歳や17歳の少年は軍服もタバコも似合っていない。あどけない笑顔でカッコつけてカメラ目線を送る。 荒野の前線基地は映画『1917 命をかけた伝令』と重なる。 ドイツ兵捕虜と打ち解けて笑い合う場面が目に焼き付いた。「この戦争には何の意味もないと意見が一致した」と。殺し合い人なんてきっと誰もいないんだ。それなのに、と無念な気持ちで観る。 武器を置いて穏やかに数日過ごせば争いは止められる。きっと平和はくる。そう信じたい。 資料映像をストーリーを持ったドキュメンタリーにする素晴らしい仕事に嫉妬した。一時期映像を仕事にしていた身として、私もこんな仕事がしてみたい。地道で根気のいる大事な仕事に憧れるが、私の精神力は持つだろうか。

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kimushizu

3.5見る価値はあるけど、そんなに面白い作品ではない。

2020年6月14日
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鑑賞方法:映画館

100年以上前の第1次世界大戦の記録映像から一部を抽出しデジタル処理してカラー映像化し再構成した作品。 入隊前の高揚した愛国心は過酷な戦場で消え去る。 工業の発展により戦車や毒ガスといった新兵器が登場し、兵士は消耗品のごとく消費される。 ここまでの話は、映像の世紀とかドキュメンタリー番組から知っていたけど、戦後、帰還兵が冷たくあしらわれたのは初耳。歓迎されたのかと思っていた。 戦争を賛美する物語ではなく、ちょっとだけ反戦ぽいエッセンスを含んだドキュメンタリー。 見る価値はあるんだけど、そんなに面白い作品ではないです。

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お抹茶