ザ・スリープ・カースのレビュー・感想・評価
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同じ穴の狢
眠りたい!眠りたい!眠りたくない!人肉食べたい!
サスペンス風に始まりどんどんオカルティックなホラーへ、行き着く先はやっぱりカニバリズム!
何故そうなるんだ…というツッコミは置いておいて。
序盤のダルい空気が意外な方向に変わり、気合の入ったゴア描写とドロついた霊と卑劣な仕打ちの過酷さに引き込まれてなかなか楽しい作品。
代々受け継がれる特殊不眠症の家系、その治療と研究を請け負うラム教授。
呪術なのか体質なのか、根本的な原因を探るうちに日中戦争の頃まで遡り過去と現在(劇中の)を行き交ううちに見えてくるもの。
日本軍の過激な嬲りから来る強い怨恨と恐ろしい作用にゾッとしつつ、テンションの高い残酷描写にワクワクした。
流れ弾もいいとこだけどそんなの微々たる差で、恨みを向ける気持ちに痛く同情してしまう。不公平な運命なんて悲しすぎる。
「親切にしてやったのに!」の精神がまた気持ち悪い。
しかし山場の一つであるシーンにボカシは入れないで欲しかった…日本での劇場公開だから仕方ないとはいえ、あまりに徹底した隠し方に少しガッカリ。
身体を離れたらもう良いじゃない、すごい絵面をちゃんと見たかったのに。
まあボカされても十分ヒェッとなれるし良いけれども。
因縁の繋がりが判明した後、どう決着つけるかと思っていたら教授がまさかのご乱心で大興奮してしまった。
そりゃそうだ、息子だもの。
あまりに美味しそうな食事風景、あと20分くらい見せて頂戴。
強すぎる不眠症の気持ち悪さを細切れに見せられる冒頭の演出が好き。幸せな家族だったのに。
大きなカメラを抱える幼い子供の将来が少し不安。
あの映像を後で観てまた何かやらかしそう。続く連鎖。
最後にパッと見せられる人名のような言葉の意味がわからなかったので何とか覚えて調べてみたら、現在収監中の性犯罪者のアジア人医師が出てきたんだけどどういうことだろうか…。
と思ったら地名らしかった。因縁深すぎ、怖いわあ。
ブルース・リーの映画からズ~ッと変わらない日本人の立ち位置
こんな映画を一言でいうと変。物語は、彼の父親の時間軸いわゆる第二次大戦の日本軍占領下の香港と90年代の主人公の時間軸が交差をしてNon-linear形式のシナリオを形成している。色々と観ていて、昔マレーシア人女性に面と向かって言われたことを思い出した。"The Japanese are so cruel."この文章のみそは、動詞を"were"を使っていないところ。
スプラッター的ゴア表現が出てくる本作、しかし、この監督のある意味いい加減な作り方が出てくる。主人公の父親が狂気のあまり、非道な日本陸軍中尉の股間を切り落とすシーンは、仮性包茎の物が切り落とされた後、露茎?になっていたり、人間を切り開いたりしているのに出血量があまりにも少なすぎる演出は、スプラッター物の監督なのに実際には見た経験がないのではないかと推測される。こんなチャランポランな演出をしているのにカルト的ファンがいる監督さんらしい。☆0.5なんてブーイングものか....?
奇をてらった馬鹿らしい映画を作り続けてゆくことでしか映画界で生きてゆけない、あたかも鮫やマグロのように泳げなければ死んでしまうようなあの監督、M・ナイト・シャマランと何ら変わらないもので、こんな感じの映画作りをして、日本人には待ち望まれているがこのように小銭を稼いでいくのかもしれない。
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