オッズのレビュー・感想・評価
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「苦痛は苦痛だ 何ももたらさない」
未体験ゾーンの映画たち2019の作品群の中の一作。
映画SAW(※未鑑賞)のようないわゆるシチュエーションスリラーのジャンル映画である。この手の作品は今でも興味がないのだが、“喰わず嫌い”も良くないし、それなりに歳を取って耐性も出来てきたんじゃないかとw
この手の作品に置いて、ストーリーにおける理由付けや細かい設定はいわゆる“野暮”というのは理解出来る。後はその不条理且つ、理不尽な状況に打ち勝つかというのが筋であり、一つの“型”なんであろう。あまり突拍子もないオチは却って観客の期待を削ぐ以外に効果はない。なので、この狂ったゲームそのもののリアリティの無さは、説明不足と思ってしまう事自体、作法が成っていない。漫画カイジのような世界観なんだと納得出来れば観易い。
いわゆる“我慢大会”においてドンドン課題をクリアしていき、最期の一人になったら賞金100万ドルが手に入るという筋書きである。勿論、課題はステージを追う毎に過激で陰湿なモノ(ステージ1:蝋燭に手をかざす ステージ2:“箱の中身は何だろな”の足バージョン ステージ3:長く水に顔を埋める ステージ4:足の甲に木ネジ打付け ステージ5:指詰め 最終ステージ:ロシアンルーレット)になっていく。これも又、作品の中へ没頭できる残虐さが繰広げられるのがキモなのだが、本作ではそれを否応が為しに強制させられるのではなく、あくまでも参加者の意思というものが重要なファクターになっている。そしてもう一つ最大のユニークでオチに直結しているのが連絡係兼進行役兼セコンドの人間が一人居るということである。そう、今作品はプレイヤーとその人間の一対一の駆け引きが展開を引っ張るのである。そして状況そのものは演劇でもできそうだが、どうしてもできないのが、残虐シーン。正に映画の面目躍如といったところであろう。現実では絶対に歩けないだろうし、指詰めなんて何回も出来るわけがない。失神と出血多量で意識が飛んでしまうのだろうが、あくまでもこれは映画であるから、どれだけそれをドラマティックに印象付けるかがカギなのであろう。今作はそれが劇画チックに且つ過剰過ぎないようにバランス取りされている。手を変え品を変え心理戦を挑む進行役との中で、最終的には進行役の決定的なボロが出てしまい、このゲームの真相が明らかになる。そのボロは実ははっきりと覚えていないのは、それまでの非道な行為で観ているこっちも相当の精神の消耗をきたしてしまっているからである。結局はその進行役とどっちが先に部屋を出るかの勝負なのだが、ロシアンルーレット中にいつでも撃つことが出来たのは、結果論でしかない。今作品の強烈さはあくまでもそのゲーム内容の演技で、観客を削っていく演出なのである。これも又新しい映画の方法としてあげられる野心作であると感じ、そして疲労困憊なのであったw
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