「で、邦題(パズル)はどういう意味?」パズル Lymanさんの映画レビュー(感想・評価)
で、邦題(パズル)はどういう意味?
ホラーツアーに参加した一行が一人一人“本物”に消されていくスプラッターを期待している方は観ないで下さい。
グロは小道具程度、わくわくホラーは序盤で終了。化けの皮が剥がれるほどにどんどん失速していく映画でした
以下【微ネタバレ】含む
今作のテーマは「主人公であるリハビリ中の薬物依存者が、怖い目に遭いすぎて現実と幻覚が分からなくなっていく」というものですが、ぶっちゃけ「捻りすぎてもはやどっちでもよくなる系」のヒューマンスリラーです。
そもそも監督がやりたい事とターゲット層がズレてる気がします。話が二転三転するだけのスリラーをB級スプラ層に売りたいならもっとスプラッターやホラー演出に力を入れるべきだし、逆にスリラー寄りで行くなら序盤から軽すぎです(ツアー仲間が悪目立ちしている。B級スプラなら歓迎)。
このどっちつかずの世界観が私には全くハマりませんでした
以下【ネタバレ】含む感想
B級スプラ層に向けるならもっと主人公には暴れてほしかったです。
原題は「Ruin Me」ですが、結局彼女は正当防衛で彼氏を殺しただけで、特に壊れてないんですよ。そこが心底つまらない。
ホラーツアー終盤でプッツンして、実はサイコだった彼氏諸共み〜んなぶち壊してくれるのを期待したのに…。
覚醒カタルシス0
そのサイコ彼氏の本性発覚シーンも、本来なら「そんな…嘘でしょ…?」とショックを受ける場面なのでしょうが、そもそも「唯一の頼れる彼氏」「信頼できるいい人」って印象が薄いので、ヒューマンスリラーとしても失敗している。
ここでゾクっとできなければ、一体どこでハラハラドキドキすればよいのでしょうか…
総括
確かに沢山の捻りはあった。でも結局「現実か」「幻覚か」の2点を反復しているだけで、最終的には「主人公は壊れない」「サスペンスは不発」という散々な結果に。
最序盤のわくわくホラーツアーが最もドキドキできたかな