「最高に可愛い浜辺美波が観たいならこの映画を観ろ!!!!」屍人荘の殺人 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
最高に可愛い浜辺美波が観たいならこの映画を観ろ!!!!
浜辺美波・神木隆之介・中村倫也。最近の映画で引っ張りだこの実力派若手俳優を配した本作。予告編の映像を観るに、原作が数々のミステリー小説の賞を受賞した作品であることを強調した予告編になっていて「本格ミステリーですよ」という雰囲気を漂わせていますね。
結論としては、前評判で言われていたほど悪くは無かったと思います。ちなみに原作小説は購入しましたが、まだ読んでいません。これから読む予定なので、原作の評価次第では映画の評価が相対的に下がる可能性もあります。
個人的に可愛い浜辺美波が見られただけで内容関係なく最高の映画です。それくらい本作の浜辺美波が可愛かった。最高に可愛い浜辺美波が観たいならこの映画を観ろ!!!!!!
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大のミステリー小説オタクである葉村譲(神木隆之介)は、大学のミステリー愛好会に入会したが、会員は葉村と会長の明智(中村倫也)の二人だけだった。明智はミステリー小説を読むだけでは飽き足らず、大学内で起きた様々な事件に首を突っ込みたがる人物。ある事件を捜査している最中、二人の前に抜群の推理力を持つ女子大生・剣崎比留子(浜辺美波)が現れる。彼女は友人の所属する音楽フェス研究会が何者かから脅迫を受けていること・二人にフェス研の合宿に同行してほしいことを伝える。ミステリー好きにたまらないシチュエーションに惹かれた二人は、比留子の誘いに乗ることにしたのだが……。
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原作が数々のミステリー賞を受賞しているだけあってミステリー部分はそこら辺の探偵映画よりもよっぽどしっかりしていたし、「ゾンビ×ミステリー」という奇抜な組み合わせも新感覚のミステリー映画として良いスパイスになっていた印象です。俳優陣も最近話題の実力派を起用しているだけあって素晴らしかったですし、ところどころギャグ演出も過剰になり過ぎない程度にさりげなく演じられていて、しっかり笑えて良かったですね。
しっかりミステリー部分にゾンビ要素が絡んできて、「人間にしかできないトリック」「ゾンビにしかできない殺害方法」が同時に起こる不可解な事件であるが故に、探偵が悩まされるのは非常に面白い設定だと感じました。
しかし悪いところが無いわけでもなく、せっかくのミステリ映画なのに演出のせいなのか割と序盤から「この人犯人じゃない?」って感づいてしまうような場面があったり、ラストで犯人が判明してから長々と犯人の過去の回想や愁嘆場が続くし、犯人の動機が「そうでしょうね」っていう分かり切ったものなのに丁寧に丁寧に説明されるもんだから、超長く感じました。
また、中村倫也演じる明智が序盤でゾンビに襲われて死ぬシーンがありますが、誰がどう見ても「絶対死んだだろ」ってシーンになっているんですよ。しかも中盤でゾンビと化した明智が外を徘徊している様子をベランダから見下ろすシーンもあったりして、それ故に「明智さんは生きてるよ」と作中何度も葉村が発する台詞に全く説得力が無くなってしまっている印象を受けます。ゾンビになった明智をベランダから見下ろすシーンは完全にカットして、明智がゾンビに襲われるシーンは大量のゾンビが明智に掴みかかるような演出じゃなくて、例えば「ゾンビの大群に囲まれて絶体絶命」程度の演出に留めておいた方が良かった気がします。
他の方のレビュー見ているとゾンビの頭部を破壊する時に多用されたレントゲンのような演出に辟易している方が多いようですね。私も確かに「くどいな」とは思いました。直接的な表現を避けるためなのか予算の都合なのかは知りませんし、決して悪い描写じゃないとは思うんですけど、あれだけ何回も同じような演出見せられると「またかよ」って感じてしまいます。しかも終盤の感動的なシーンとかでもレントゲン演出があって、場面の雰囲気に似合わないコミカルな演出なので白けてしまいますね。
正直あまり期待せずに観たからか思っていたよりは楽しめる作品だったとは思います。
でもそれは「原作が面白い」からであって「映画が面白い」わけではない気がしますね。数々の賞を受賞している作品なんだから面白いことは間違いないんですし、ストーリーなぞれば映画もそれなりに面白くなるはずなんです。他の方の評価を見る限りでは映画化が成功しているとは正直言いづらいんじゃないかな……。
良い部分もあるけど悪いところもある。そんな映画でした。