「流れを止める演出」屍人荘の殺人 ぴゅあるさんの映画レビュー(感想・評価)
流れを止める演出
原作既読済み。
なので、ゾンビが出てくること自体には驚かず。
原作に比べて思いっきりコメディに振り切った映画化だった。
見てて、TRICKとか堤作品ぽいなぁと思っていたら、堤監督の助監督をしてた人だった。
ただ、演出がとてもぬるい!
堤演出の特徴であるテンポの良さやキレはないし、ギャグをやろうとしてるけど空回りしてる感じ。
ライブシーンの盛り上がりのなさとか、ゾンビの動きとか、全体的に本物らしさがなくて下手くそな印象。
浜辺美波が推理する時に雲龍型の動作をするのだが、何か特徴をつけたいのはわかるけど、それが取ってつけただけでなにもキャラクター性に結びついてない。
プロレスラーがゾンビになるギャグも話の大事な流れに入ってくるので、物語の流れの邪魔になってしまっている。
邪魔といえば、何より気になったのが、ゾンビたちを殺す時に入るレントゲン図の演出。
あまりグロくならないように(18禁とかにならないように)しているのだと思うのだけど、これがいかんせん、物語の流れを止める。
最初はギャグとして機能していたと思うけど、悲しい場面や切ない場面で毎回これが入るので、物語の流れがそこで途切れてしまう。感情が途切れてしまう。
それ入れなくても槍刺しましたって演出出来るでしょ。
もうウンザリ。
役者陣は良かった。
中村倫也はコメディアンとしての才能があるし、神木隆之介は流石としか言いようがない。
そして、浜辺美波は声質が良いなぁと思った。あまり高くない声が今回のキャラにあったいたように思う。(少し聞こえづらい感じはあったが…)
(これは完全に偏見なのだけど…)エンドロールで自分の名前を止める監督の作品は駄作だと思っているのだが、今作は自分の名前だけ手書きという新たなジャンルの登場に度肝を抜かれてしまった。しかも真ん中にニコちゃんマークみたいのが入って!つのだ⭐︎ひろみたいに!