「コナンとキッドの距離感」名探偵コナン 紺青の拳(フィスト) knight423さんの映画レビュー(感想・評価)
コナンとキッドの距離感
初の女性監督、ということでアニメールの監督インタビューを読んで期待値がぐっと高まり、観に行った。
アクションや爆発シーンの派手さはあるけれど、登場人物たちの揺れ動く感情を大切にした、とのこと。
単なるラブコメで終わらない、でも青山ワールドのラブラブコメコメは芯が通っている、そんな園子と京極真。
カチューシャとった園子かわいすぎか!
レオンローの心理作戦に翻弄される京極の内面が読み取れる描写もよかった。世界最強でも、やっぱり高校生なんだという人間らしい一面が見えたり、長年の絆創膏の謎が解けたり。
今まではコナン映画を原作とは違う、平行世界の話だと位置付けて、出来事や設定を原作に持ち込まないことが暗黙のルールだと思っていたけれど、どうやらそうではないらしい。
1作目から青山さんが全面監修で協力してきてはいるけれど、原作とのリンクが濃く出てきたのは異次元の狙撃手あたりからだろうか。(そのときは気づかなかったけど、いま思い返すとそれくらいからだと思う)
今回もキッドのキザな言い回しとかは青山さん案らしい。
「いい当ててくれよ名探偵、……」の台詞。ハイかっこいい!
予告などでも流れていたけど、本当に月夜をバックに、しかもコナンに対面して言ってるなんて最高のシチュエーション!
あの手の差し出した先にコナンがいたなんて!王子が姫に差し出す手でしょうあれは(笑)。
コナンとキッド、初邂逅のときは「探偵は……批評家にすぎねーんだぜ?」善と悪、両極端にいた二人。
次第にライバルとして互いに存在を認めるようになる。天空の難破船では互いの立場をわきまえながらも、同じ目的のためには協力する。
(業火の向日葵はあえてスルー。)
そして今回の初めから能力を認めた上での協力要請、もとい脅迫するキッド。キッドの目的を探りつつもその根底では信頼した上で手助けをするコナン。
やや距離感が近づきすぎ?という感じと、キッドがコナンの十八番である推理パートを半分もっていってしまった、という点は気がかりだけど、映画だしキッドイヤーだし、許しましょう。
新一と蘭の絡み。まず今回は新一出てこないのかよ!っていうポスターに対するツッコミ。コナンの前で常に新一の格好してるキッドが面白すぎた。蘭、それ新一ちゃう!コナンの心の叫び、声に出ちゃってるから!一緒に叫んであげたいから!
最後、リシに対する追求だったり動機の解明だったりは、格闘シーンやら爆発やらで忙しくてあまりついていけなかったので、2回目で確認しよう。
いままではリアルに存在する建物じゃなく架空の建物ならばんばん爆破してきたけど、今回は世界的に有名なマリーナベイサンズ壊しちゃって、よかったのか!?という心配をしてしまう。
スーツケースの中のコナンのために最高級クッションを用意してあげるキッドの優しさ。そんなところもジェントルマンだなぁ。
今回もたくさん笑って、手に汗握って、楽しかった!
さて来年!予想通り赤井さん!お待ちしておりました!!