「星空の下で輝くセリフと役者さん」4月の君、スピカ。 やきすこぶさんの映画レビュー(感想・評価)
星空の下で輝くセリフと役者さん
福原さんが演じた星、いわゆる天然キャラ。
彼女、天然の人に有りがちな独特の言い回しを使ったりするんだけど、それが意外と心に引っ掛かるんです。
うん、こりゃあ側に居られたら、男なら好きになっちゃいますよね。
二人の男子から同時に好きになられるのに、説得力を感じました。
それで、この星を福原さんが演じると、天然な感じが自然に感じるんですよね。
キャスティングが見事だなと。
そして、星を好きになる男子二人の配役も巧いなと思いました。
深月を演じた鈴木さん、声と雰囲気が落ち着いてるんです。
だから、優しいんだけど胸の内をさらけ出せない感じが、しっくりくるんです。
それと同時に、映画全体にも落ち着いた雰囲気を与えていたと思います。
一方の佐藤さんの泰陽のキャラは、一歩間違えるとチャラくなっちゃいそうなんだけど、誠実さをちゃんと感じさせてくれます。
だけどその結果、二人とも良い奴なんで、どちらも応援したくなっちゃうんです、困りました。
それから、この二人は結構キザな台詞を吐くんだけど、星空のせいでしょうか、格好良くて素敵な台詞に感じちゃいました。
星空の力、凄いです。
さて、どちらも魅力的で応援したくなる二人、観ているうちにどちらかが選ばれるのちょっと嫌だなと思えて来たんです。だけど、星がちゃんと一人を選んでも、後味が良かったんですよ。
何故でしょうか。
きっとこの後も二人の友情は続くと想像できたからなんだと思います。
青春映画らしい、後味の良い作品に仕上げてくれました。
最後に好きなシーンについて。
序盤、青春映画らしい走るシーンがあるのですが、結構長く走らせてるなと気になっていたんです。
そのせいでしょうかクライマックス前の走るシーンの時は、前半の残像が残っていて、グッと心を掴まれました。
この時の星、目指す物がはっきり見えています。
青春映画の走るシーンの中でも、目指す物がはっきり見えて走っているシーンは、とても好きです。
最後の最後にもう一つ。
井桁さん、確かに知的に見える美人ですね。