「戦争映画としても良し」オーヴァーロード aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争映画としても良し
映画館の割引デーなので、とりあえず何か…で、JJエイブラムスプロデュースということで選択。
前情報無しでしたが、タイトルにBAD ROBOTのアイキャッチが入ると、条件反射で、なんだか盛り上がって来る。
オープニングから、期待を裏切らない。「コンバット!」か「史上最大の作戦(THE LONGEST DAY)」を彷彿とさせる、ドーヴァー海峡にて、ノルマンディーを目指す大艦隊。その上を飛ぶ輸送機には、第101空挺師団を載せた輸送機群。その輸送機の中から物語は始まる。この5分程度のシーンだけで、1時間は語れる。語らないけど(笑)。
そして、猛烈な対空砲の射撃を受けながらの空挺降下のシーン。この空での死闘は今までの映画で、描かれてなかった初モノでは無いだろうか。輸送機群は次々撃墜され、対空砲の破裂で埋め尽くされる隙間を縫って、辛くも降下した兵士も沼地にハマって溺死寸前。この辺りは史実をなぞった展開だ。生き残ったのは癖のある怪しい伍長と、黒人新兵、口の減らないイタリア系移民とカメラ好きの優男。
当然のように、彼らはフランス美人と出会い、ドイツ軍の将校の悪逆非道な振る舞いを目撃し、素朴な村の少年と交流を深めるといった、これでもかと言うほどの戦争映画の黄金パターンを全て盛り込み、なぞっていく。そして、ナチスは更に酷い秘密実験をしていて、要塞化された村の教会が、その基地となっている訳だ。
ナチの秘密基地は迷路のようで、カメラカットも主人公を追いかけてぐるぐる回る。どこかで見たことあると思ったら、昔流行ったPCゲームにこんなのがあった。確かDOOMとか言ったような。長くやってると、ぐるぐる目が回った覚えがある。
まぁ、こんな感じで、JJAらしくいろんな要素を詰め込みながら、ハラハラドキドキを切らさずにラストまで持っていく秀逸な構成。ラストも「史上最大の作戦」のオマージュっぽく、次々と上陸して来る連合軍を背景にした大団円。
最近、政治的なメッセージや、時代背景を重視した映画が多かったので、エンタメのために作られたようなこの映画には、ほっとさせられた。ポップコーン買わなかったのが悔やまれる。