「意外なハイブリッド展開にしびれる」オーヴァーロード Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
意外なハイブリッド展開にしびれる
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なんとJ・J・エイブラムスのプロデュース。第2次世界大戦末期のフランス、ノルマンディー上陸作戦前夜。米国の落下傘部隊の緊迫感あるミッションの描写から始まる・・・。
"ナチス VS 連合軍"の戦争映画と思いきや、ホラー映画という意外な大展開にシビれる。「スター・ウォーズ」サーガの仕上げに忙しい、J・Jのお遊びみたい(監督はジュリアス・エイヴァリー)。
少しだけ史実をベースにはしているものの、もっもらしくアレンジ。楽しく見られるサバイバル・アクション。
ナチスドイツの占領地区に潜入した米兵たちのミッションは、ナチスが通信拠点として使う教会の塔を爆破することだった。ところが地下にある施設に忍び込むと、そこは不死身の兵士を作るための実験場だった。
土地特有のタールから精製された液体を注射すると、瀕死の兵士が何でもないかのように甦る。劇中でわかるのは、拉致された村人の身体を使って精製されている。
不死身さはゾンビ映画的な要素があるが、元兵士なので動きは早いし、パワーもある。ハイスピード系ゾンビ。注射で変身するので、一般的な"噛みつき感染ルール"はない。
R-15指定は、単にグロイからで、ホラー的な怖さではない。
Bad Robot(JJ)プロデュースの超一流作品かというと、そうでもない。ふつうのB級映画なら、全体的にゾンビだけで占められる。ところが本作の前半は、レベルの高い戦争モノに仕上がっており、典型的なナチス懲悪と思わせておいて、後半からモンスター映画が絶妙にハイブリッドしてくる。そこが意外で楽しい。
(2019/5/12/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ/字幕:平田綾子??)
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