「NHKで放送しても十分お釣りがくる」がんになる前に知っておくこと regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
NHKで放送しても十分お釣りがくる
本作はジャンルこそドキュメンタリーにカテゴライズされているが、いわゆるマイケル・ムーア作品のように問題提起をしていき、その顛末を追っていく内容ではない。
だから、「終盤でとんでもない事態になるのでは…」などと期待すると、大きく肩透かしを食らう。
ジャファル・パナヒの言葉を借りると、「これは映画ではない」。映画というよりNHKの医療番組に近い。
タイトルに『がんになる前に~』と付しているのは、日本人の2人に1人「がん」を患うという統計から。
それだけ日本人にとって、がんは身近な病気になっている。
しかし本作は、がんの恐ろしさをことさら強調したりはしない。
赤瀬川原平が認知症を「老人力」と提唱したように、みうらじゅんが親孝行を「プレイ」と定義したように、むしろ、「がんとどう上手く付き合っていくか」に重きを置いている。
それこそ、NHKで放送しても良いと思えるほど、「がん」について掘り下げている。
点数は三ツ星評価で採点。
コメントする