「奇蹟の修道女ベネデッタ」バーナデット ママは行方不明 ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
奇蹟の修道女ベネデッタ
ケイト・ブランシェットはこんな役も上手いんだなぁ。こんな役と言っても元天才建築家ではあるが。
人間嫌いで人付き合いが悪く、広い敷地の雨漏りだらけのお屋敷にマイクロソフトのやり手エンジニアの夫と一人娘と暮らす。話し相手はネット上のインドの秘書。手入れをしていない庭から隣家へ蔓延ったブラックベリーの件で隣と揉め、更に車で娘を中学に迎えに行った時にその隣人と会い、急発進して足を引いてしまう。
娘は優等生で志望校の入試に合格し、そのお祝いに南極に家族旅行したいと言う。旅行、しかも南極なんて、という感じだったが娘に負けて了承する。
ある日たまたま図書館で声をかけられたことから、建築家だった時のテーマをネット検索し、過去をまとめられた動画を見て当時の自分を思い出す。そんな時、当時の恩師と会う機会を得、その当時、仕事のために16回流産した話をする。
一方土砂降りの天気の日、バーナデットは招かれなかったママ友のパーティーが隣家で行われていて、ブラックベリーを根絶やしにしたために起きた地滑りが隣家を襲い、家もパーティーも台無しになる。知らされたバーナデットは一旦謝るが、責められ続けて最後はキレる。
ある日突然FBI捜査官がやって来て、バーナデットが秘書として使っていたネット上の相手がロシアのスパイだったということで、情報漏洩した容疑がかかり、南極旅行の期間はバーナデットだけ精神病院で過ごすことを提案される。こっそり窓から逃げ出して土砂を掃除中の隣家へ逃げ込み、匿ってもらう。そしてそのまま南極へ向かったのを、探し回っていた夫と娘は隣家から聞き、追って南極へ向かう。
一人南極でカヌー?に乗っていると、調査隊の調査員に会い、研究所の建築物の建て直しを知り、建築家の自分がムクムクと目覚める。建築設計に必要な情報を得るため何とか潜り込んで頼み込む。
原作はベストセラー小説だが、温かさとユーモアがこの監督らしいと思った。
娘のビーが尺八を演奏して子どもにエレファントダンスの振り付けをする、というのは童謡「ぞうさん」なのだった。