ザ・リバーのレビュー・感想・評価
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美しく個性的で魅力的だが難しい
31st TIFF コンペティション
美しくなおかつオリジナリティ溢れる映像に非常に魅力を感じたものの、同時にかなりの難しさも覚えた。
一風変わった構図や絵づくり、演出に、はじめは慣れずに、置いていかれそうになったけれど、川を中心とした美しい絵づくりをきっかけに、徐々にのめり込んでいった気がする。
映像の中にあらゆるシンボリックな記号が鏤められていて、しかも一つ一つに意味が込められていると漠然とながら感じるが故に、なかなか一筋縄ではいかない作品だと思う。それらが何を表現しているのか理解できたり、あるいは創造する事ができたとき、作品の深みを凄く感じるわけで、出来ることならば一見して読み解きたいところではあったけれど、あまりに哲学的であったため、非力な自分にはすべてを理解することなど無理であった。
難解に感じるし相当忍耐も必要だと思うけれど、何かしらの目論見は明確であり、─例えば、違和感ある構図、衣装、光、対比やシンメトリー、自然の表情、等々─、それらを少しでも拾い上げることができれば、この上なく素晴らしい作品だと思えるかもしれない。
内容や設定は完全に虚構だという認識でも、そこで描かれている内容はかなりのレベルで現実世界に関わりを持ったものだと思う。
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