劇場公開日 2018年11月3日

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「朝ドラ『なつぞら』的なドラマが一転血塗れバイオレンスに」The Witch 魔女 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0朝ドラ『なつぞら』的なドラマが一転血塗れバイオレンスに

2019年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

謎の施設に隔離され特殊な訓練を受けた特殊能力を持つ少女ジャユンは施設内で起こった事故を機に脱走するが重傷を負い意識を失う。記憶を失ってしまった彼女を助けてくれたのは酪農家の老夫婦、二人のもとで養女として育てられたジャユンは経済的に困窮した養父を救うべく賞金目当てでタレントオーディションに応募、特殊能力を使ったマジックをテレビで披露したことから正体不明の男達に追われることになる。

『キャリー』を彷彿とさせるキャラのジャユンは一見明るくて素朴なド田舎の高校生。実に愛くるしい彼女が自身の出生の秘密に触れ、秘められた能力に覚醒していく様は『AKIRA』や『クロニクル』的。しかしそこは韓流、それらとは全然ベクトルの違うあさっての方向に物語を転がしながらほのぼのとした青春譚から情け容赦ない死屍累々の地獄絵図へと突進していく展開が圧巻。『悪女 AKUJO』にも似た不穏な終幕までの血も涙もないバイオレンスは爽快でした。満腹です。

よね