劇場公開日 2018年9月22日

「山田佳奈の尖りと器用さを兼ね備えた短編、面白いけどアクが強い」今夜新宿で、彼女は、 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0山田佳奈の尖りと器用さを兼ね備えた短編、面白いけどアクが強い

2021年6月20日
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鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

パンクバンドのキラーチューンみたいな作品。相変わらず荒々しいのにまとめられる器用さが漂う。メッセージ性もあって面白いけど、あんまり刺さらず。

実は、プロデューサー・企画が主演の広山詞葉というのが意外で納得なのが正直な感想。あの暴れぶりはに本人の強い意志表示から生まれるものだったのね。
自分は可愛くて無敵…なのに彼氏の連絡切れるの可笑しくない!?みたいな所から始まる狂騒曲。女の子は可愛くて無敵なんだから!みたいな信念がオネエバーでの口論から滲む。そうして駆られた彼女は彼氏の家に乗り込むが…。段々とメッキが剥がれていくような姿がちょっと可哀想に思えてくる。自業自得なんだろうけど、それ以上に傷が痛々しくて引いて見てしまう。それでも、山田佳奈の尖った演出と包括的な作品づくりは器用で面白い。高い評価を受けるのも納得で、その片鱗を感じる作品にもなっている。

相変わらず力量を感じさせるテーマで山田佳奈は「女の子ってこんなに可愛いんだよ!」と見せてくれる。だからか、生き方に恍惚を覚えて、嫌いになれない。ちょっとアクが強かったのが惜しいところ。

たいよーさん。