ハウス・シャークのレビュー・感想・評価
全6件を表示
サメ映画の傑作
「サメが出ること」「つまらないこと」がサメ映画の定義であるとすれば本作は非常に良質なサメ映画であるといえる。何がヒドいって2時間もあることなんだよな。15年前の『サウスパーク』でさえギリギリウケたか怪しい程度の汚物ネタを引っ張り続ける意味が、大義が、モチベーションが、この世界のどこかに確実に存在していたという事実に未知の惑星を発見した宇宙飛行士のごとき感慨が溢れ出る。というかそもそもサメ映画とは『ジョーズ』が既に成した偉業を超越不可能の金字塔と崇めるところからムーブメントが発生しているわけであり、そういう意味ではムーブメント自体が根本的に無意味だといえる。その絶対的なニヒリズムの中、どういう形であれ数十分の映画作品を完成にまで持ち込めるというのは気狂いのごとき所業と評せざるを得ない。しかしまあハウスシャークの造形は本当にヒドい。そんなんじゃ人も殺せねえぞという情けなさが芬々と漂っている。途中で鑑賞をやめられないというシネフィル根性に漬け込んで路傍の石ころよりつまらない映像を強制的に見せ続ける作家のサディズムのほうがハリボテでできたサメの牙よか何倍も鋭く尖っていると思う。むろんそこに意図的な批評性などは微塵もなく、ひたすらに空虚な三文芝居が演じ続けられる。空前絶後の読後感の薄さ。どうでもよさ。ただただ時間を無駄にしたという虚無感。どれをとってもまさしく傑作の2文字を冠するに相応しいサメ映画だった。
ごく限られた層向け
Z級クソサメ映画としては悪くないと思います。サメの造形も良かったし、終盤の展開は普通に感心するくらいぶっ飛んでました。一番良かったのは「血」の演出でしょうか。かなりリアリティのある捕食現場跡のクオリティは名作ホラーに負けないくらいの説得力があり、結構怖かったです。コメディ要素を取り入れた捕食シーンも工夫が見られて良かったです。
さぁ、こっから悪いとこを…。
まず、コメディをやりたかったのでしょうが、これっっっっっぽっっっっっちも!面白くない!さっぱり!全く!笑えない!ひたすらケツ穴がどうとかペ○スがどうとか!下品で低俗な会話ばかり!え!?これで笑えっての!?無理無理無理無理!!強いて言えばサメが出てくるシーンは笑えるところはありました。しかし、笑いを狙ったと思われる下品なシーンは本当にどうしようもないほどつまらない。勘弁してくれ!このひたすら滑り倒している感じは「キング・オブ・ゾンビ」を彷彿とさせる…って誰も知らんよな…。
そして長い!しかもサメの登場シーンが少ない!Z級クソサメ映画のくせに112分!?ふざけるな!ポロニアだって7、80分に収めてるんだぞ!?延々と続くくだらない会話、無駄なシーン。苦痛である。観続けるのが辛くて休憩を挟んだほどです。ポロニア映画のあの短さって計算されてたのかなって思うと、実はアイツめっちゃ優秀な監督なんじゃないかと錯覚してしまいます。
それでもポロニア映画より評価を高くしたのは、リアルな血の演出と終盤の吹っ切れた展開の為。この作品の数年後に「ワニゲーター」とか言うZ級クソワニ映画が公開されてます。同じ家系映画としてはあちらの方が観やすくオススメ…はしませんが…まぁ…そんなのもありますよってことで…。
相対的にポロニアの株が上がる謎現象が起こるクソサメ映画でした。
全6件を表示