I AM THE BLUES アイ・アム・ザ・ブルースのレビュー・感想・評価
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ブルースそのもの
ブルースがアメリカを離れ、英国にまで飛び火し、ビートルズやストーンズ、クラプトンらが世界的な名声を得ていく。そのビートルズすら解散してしまった後に生まれた自分には、オリジナルブルースは幻そのもの。
最近でこそYouTubeでロバートジョンソンやミシシッピジョンハートを聴ける時代になったけど、今までは商品としてパッケージングされた「ブルース」しか知らなかったように思う。この映画を見て初めて、ブルースが商品化される前の、素材そのものに触れた気がした。
マーティンやギブソン、フェンダーのビンテージギター、ビンテージアンプじゃないとダメなんて拘ってる自分には、ブルースをやる資格すらないんだろうと自覚しつつ、それでもなおブルースやジャズの魅力に取り憑かれて、最近はアメリカ史含めて再勉強中。YouTubeもプライムビデオも勉強ツールとして圧倒的に有用でほんと感謝。
ブルースマンの1つの現実か
アメリカ南部・老人会/同窓会の映画です。2014年製。
登場人物はすべてブルースマン&ウーマン。シカゴやテキサスのブルース黄金時代1960-1980を生き抜いたおじいちゃんおばあちゃんがぞろぞろ出てきます。みな、華々しいライトを浴びたことのある人たち(=スーパースターたち)。BBやマディウォーターズ、ハウリンウルフら超のつくスーパースターらのバンドに若い頃在籍した(らしい)人の話など、ワクワクします。
ボビー・ラッシュへのインタビュー、彼の動向・日常に密着しながらブルースマンたちとの交流・会話の中に歴史と現在が語られていきます。
レイジーレスター?が部屋で歌うメジャー3コードのブルースは、カラッとした曲調なのに、突然ドッと涙が溢れて困りました。
キャロル・フラン作の「エミット・リー」という曲も初めて知りましたが虜になりました。この歌の扱い方がまた、見事!
収録された曲は、バンドスタイルのシカゴ・ブルースタイプもありますが、多くはギターの弾き語りによるデルタ・ブルース・タイプが多く、エピフォン・マスタービットのアコギで語られる奏法に関するシーンなど、舐めるように観ました。
けっして楽しい映画ではなく今の南部に生きるブルースマンたちの厳しそうな現実を映してるようで、切ない気分も横溢してるのですが、歌い演奏しそれを眺める彼ら自身の空気それ自体からは、観ているこちらにもすぐに感染しそうなウキウキ気分が溢れてきます。
観客層は高めで、みな、まっすぐに家に帰ってギターを弾くぞ!という顔をしてたような気がします。ちなみにわたしは若葉マークの自称ブルースマンで、登場するミュージシャンは、私にとっては未知の人たちでした。が、音楽と演奏シーンはこの上ないご馳走でした。上記中、間違いもあろうかと思いますが、ご容赦ください。
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