さようなら、コダクロームのレビュー・感想・評価
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親子でいられる時間は短いのです。
父は90まで生きたが、一緒に暮らした時間は18年。
仕事が忙しい時期は、互いに電話もたまのこと。
見送って一年、後の整理に追われ、近頃やっと寂しさを感じるようになってきた。
家族は近いようで、遠い。今の家族との時間、大切に。
親父と重なって…… 。
Netfflixオリジナル作品。
コダクロームとは、コダックが
世界で最初に出したカラーフィルム
のこと。
疎遠だった父と息子が旅をするなかで
徐々に心を通わせあっていく、
ロードムービーだが、これがよかった。
父はガンで余命いくばくもない著名写真家、
初期の頃に取ったコダクロームの現像所が
廃止されるというので、付き添いの美人
看護師に頼まれ、現像のための
長いドライブ旅に出る。
首寸前の音楽プロデューサーの息子は
初めはかたくなに断っていたが、
人気バンドの契約が道中で出来ると知り、
いやいや同行する、という話だ。
地味な物語だが、父親のキャラが他人事
じゃない。
超自分勝手で、妻子をほったらかし
女とも寝放題、写真三昧で生きてきた。
貧乏絵描きのくせに借金を作り、
息子よりも先に家出をし、逃げ出した
僕の親父にそっくりなのだ。
当然息子は、父を許さない。
でも映画の父は、写真に関して
いいこと言うんだよねー。
フィルムのカメラで撮っている父に息子が
言う。
「デジタルで撮ればいいのに」
と父が答える。
「借り物のおっぱいを触ったことは?」
「何?」
「見た目がよくてもニセモノはニセモノだ。
最近は皆、写真をたくさん撮る。
何十億枚もだ。でも現像はしない。
データだけだ。
電子のチリだ。
後世の人が探しても写真は出てこない。
俺たちがどう生きたか、その記録はゼロだ」
なんとか間に合った現像所で
著名な父は、
写真家やファンたちに囲まれる。
そのときの彼のセリフがまたぐっとくる。
「俺たちは未知の時間ってものを怖がる。
時間がすべてを消していく。
だからこそ、我々の役割がある。
写真で時間を止め、瞬間を永遠にする」
やがて父を父親が撮った写真が現像される。
そこに写っていた彼の初期の作品たちとは
……。
アメリカの雄大な自然。
旅を続けていく中で起こるトラブルと
交流。そして恋。
男なら誰にもある父との葛藤が
切なく哀しく、ときにはユーモラスに
描かれている映画、心にしみる秀作です。
’
エドハリス好きには、ぜひぜひ。
父親役のエドの魅力たっぷり。
疎遠にしていた親子が、閉鎖される現像所へ向かうロード・ムービー。
とにかく父親が、末期癌でかつ悪態つくわ、言葉は悪いわ。
息子は「全く変わってない」とお手上げ。わかるわ〜。
いろんなアクシデント等のあと、たどり着いた目的地。
そこで息子は、父が写真家としてどれだけリスペクトされていたか。
それを知るシーンや出来事に、涙腺崩壊。
デジタルで簡単に撮影できる今だから、みてもいいかな。
カメラにフイルムを入れるシーン、こうだったなあ!。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「写真は時間を止め、瞬間を永遠にする」
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