「パーカー・ポージーの代表作としても語られるべき」フェイ・グリム バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
パーカー・ポージーの代表作としても語られるべき
パーカー・ポージーが1997年の『ヘンリー・フール』では三番手の役どころだったフェイ・グリム役を9年ぶりに再演した、三部作の二作目。国際情勢を肴にした壮大なスパイスリラーに衣替えしていて、三部作で一番観る人を戸惑わせる作品だろう。
しかしブラックコメディとして非常に秀逸であり、特にパーカー・ポージーのコメディエンヌとしての才能がずば抜けていて、キャラクターの魅力を支えている。サイレント映画のような身体を張った動きの面白さは、ハートリー作品の常連で本作にも出演しているエリナ・レーヴェンソンに通じるが、この映画では二人が共演していても、個性がぶつかり合うことなくちょっとシュールなハートリーワールドの住人として息づいている。
劇中でも出会う男性、出会う男性がフェイにゾッコンになる、というネタのような設定があるのだが、実際、本作のポージーの魅力に抗いがたい。才能は広く知られていても主演作が多くないので、この映画は彼女の文句なしの代表作として語り継がれるべきなのでは。
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