「非常に良かった」荊の城 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
非常に良かった
やっぱりサラ・ウォーターズの原作がおもしろんだなー
と思いつつもこの長い作品から、子の取違え要素などを除いて
スッキリまとめた「お嬢さん」の脚色は素晴らしい。
本作も本当に面白かったのだけど、
上の抑揚に比べたら、下は垂れている感が強い。
「お嬢さん」は一直線で、より女性たちの物語になっていた気がした。
ちゃんと断罪してたしね。
ただオープニングの処刑台が生活の中にある少女、っていう紹介で
ものすごく引き込まれたし、
やっぱり場面転換になる心療院での裏切りの発覚シーンは
とんでもなく面白い。
今作のスウとモードはもう生まれながらにして
出会っていたわけだし、より強い運命で結ばれてはいるのだけど、
やはりラストは物足りない。外に出てもいいと思う。
あと若さもこの二人が持っているものだと思う。
ピュアで純度が高い感じ。
私は「お嬢さん」のニヒルな感じも好き。
小道具のトランプの使い方、好き。
また、ジェームス役を演じた役者が、
ジェームスはゲイだと思う、と言及していて、
新しい解釈だなと驚いた。
今作の彼の内面の抑圧を考えると、あり得るかもしれない。
(この作品の悪役なら演じがいがあると語ってたのも好印象だった)
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