「アクションもユーモアもアットホーム感もビッグサイズな面白さ!」アントマン&ワスプ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
アクションもユーモアもアットホーム感もビッグサイズな面白さ!
MCUのBEST級と言ってもいいあの『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』に続く、記念すべき通算20作目は…
アントマン!
お前かい!
あの超一大事の後にコミカルな最小ヒーローやってる場合じゃねーよ!
…と、いきなりディスっちゃったけど、アリンコヒーロー第2弾、今回も面白かった!
あの壮絶な超大作の後にコミカル路線というのも、MCUのユニークな所。
面白さも楽しさもサイズ増し!
やはりこの、小さくなって大きくなって、また小さくなってまた大きくなってのアクションは、愉快でエキサイティング! ビジュアル的にもユニークで、魅せるものがある。
特にクライマックスの、ある物を巡って、小さくなって大きくなっての争奪&追跡戦は、本作BESTの見せ場!
普通サイズから1.5㎝サイズに、『シビル・ウォー~』ではビッグサイズにもなり、本作では装置の不具合で“子供サイズ”にもなって、これが笑わせる。
惚けたユーモアとコミカルなやり取りが本当に笑える。
緊張感あるシーンでも絶妙に笑いが入り、捕まってしまったとあるシーンで掛かってきた娘からの電話とか、“自白剤”とか、結構ツボにハマった。
数あるMCU作品の中でも、すんなり気楽に見れるのが、この最小ヒーローの魅力。
勿論今回も大奮闘してるアントマンだが、やはり何と言っても、
ワスプ!
ピム博士の娘ホープが、本作ではいよいよスーツを着て大活躍!
前作でもスーツ無しで充分存在感発揮してたが、さらにビッグサイズ増し!
空も飛べ、キレッキレのアクションとカッコよさ…。
アントマンも完全に喰われ、これじゃもう、“アントマン<ワスプ”か“ワスプwithA”状態。
そして言うまでもなく、エヴァンジェリン・リリーが魅力的。
ペイトン・リードの演出は快調。
快演のポール・ラッド、好演のマイケル・ダグラス。
新たに、ミシェル・ファイファー、ローレンス・フィッシュバーンらが参加。
共に80年代にスターになったダグラスとファイファーが夫婦役というのも感慨深い。
あ、それから、おバカトリオの珍活躍も。ルイスも相変わらず絶“口”調。
ストーリーは…
『シビル・ウォー~』でキャップ側に付きソコヴィア協定に違反し逮捕され、FBIの監視下、軟禁状態のアントマンことスコット。
そんな彼に、ピム博士とホープがある目的への協力を依頼。それは、量子の世界に消えた妻ジャネットの救出。
救出の鍵を握るラボを狙って、闇商人や謎の敵“ゴースト”が現れ…。
頼れるバディも女性ならば、敵も女性。
幽霊のように身体を透明化し、壁をもすり抜ける事の出来る強敵に、アントマンとワスプも苦戦!
が、彼女には悲しい過去が…。
新進女優ハナ・ジョン・カーメンの魅力もエヴァンジェリンに負けず劣らず。
ゴーストがラボを狙うのは、自身の悲しい過去と自身の命に関わる理由から。
ピム博士とホープも妻/母を救いたい。
各々に確固たる理由があり、どちらが優先なんて決められない。
闇商人は別として、本作には悪人など居なかった。
痛快愉快なヒーロー活劇だが、ゴーストの悲しい過去や深淵な量子世界など、下手すりゃその中へ陥ってしまう。
それを、ファミリー愛が救っている。
ピム博士、ホープ、そしてジャネットの家族の姿は本作の要。
それから、スコットと幼い娘のキャシー。ダメパパでも、そんなパパが大好き。
信じ合い、支え合い、家族が要るから。
このアットホーム感あってこその我らのアントマン!
ユニークなアクションもユーモアも、感動的な家族愛も、量子世界のイマジネーション豊かさも、最小サイズではなくビッグサイズな面白さ!
さて、『~インフィニティ・ウォー』では不在だったアントマン。
小さくて見えなかったんじゃなく、軟禁状態でもあったし、彼は彼で一大事だった。
そして、エンディングのオマケ映像で、見事『~インフィニティ・ウォー』と繋がった!