「時間の外側に立つ者」アメリカン・ヴァルハラ shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
時間の外側に立つ者
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イギー・ポップは最高のロッカーだ。ジョシュ・ホーミが「時間を止めたくても止まらない。止まらないから、瞬間瞬間がとても重要だ。時間の助手席に座るだけで、自らが動かすことが出来ない。」みたいなニュアンスで語っていたが、その発言に違和感を覚えた。「イギーと仕事をして、君は何を学んだのか?」と彼に問い掛けたい。
イギーは既に軽く時間を超えていて、クラシックであり、レジェンドである反面、常に新しく、常に夢中にさせる現在の音を作り出す。
残念なことに、彼の肉体は既に老いてしまい、ビルドアップしてはいても、弛んだ皮膚は惨めだ。
しかし、彼の才能は肉体美ではない。
魂のレベルで音楽を生み出し、その輝きは余りにもまばゆく、永遠の命を宿したまま、時間の外側で爆音を轟かし続ける。「最高だ!」思わず口からこぼれる魂の返答だ。
思えば、ジョシュ・ホーミもイギーと仕事したからこそ、時間の内側に住む者と外側に立つ者との歴然とした違いを感じたのかもしれない。
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