「ロシア生まれの主人公が民主化リーダーであるロシア女性大統領の危機を救うフィンランド映画」ブレイクダウン ロシア大統領暗殺 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
ロシア生まれの主人公が民主化リーダーであるロシア女性大統領の危機を救うフィンランド映画
ラウリ・ヌルクセ監督による2016年公開のフィンランド映画。
原作はマッテイ・ロンカ、脚本はミカ・リパッティ セッポ・ベシルオマ。撮影はヤリ・ムティカイネン、編集ハンナ・クイリンラハティ、音楽ラウリ・ポッラ。
出演は、サムリ・エデルマン 、 マルティ・スオサロ 、 マリア・ユリパー 、 クリスタ・コソネン 、 アンニ=クリスティーナ・ユーソ 。
フィンランドで暮らす暴力的なロシア人役サムリ・エデルマンが、弟と協力して大活躍して、民主化リーダーであるロシア女性大統領の危機を救うという物語。随分とロシアに気を使ったストーリーだ。またロシア自身が民主化するというフィンランドにとっての理想なファンタジー的設定で、今の時点ではいじらしくて少し泣けるところも。
ただ、主人公達はフィンランドとロシアを気楽に移動しており、主人公を誘惑する幼馴染の女性ユーソもロシア人で、両国の関係性の深さ・親密さも感じさせた。最後、大統領を殺そうとしていた黒幕英国人?はロシアからの刺客により殺害されて、ハッピーエンド的に終わる訳で、フィンランド市民の反英米的な感情もイメージされた。
映画としても面白かった、特に主人公エデルマンの友人でフィンランド警察官役のマルティ・スオサロの、美人公安上官コソネンの主人公監視指令を軽くいなしエデルマンと共闘するとぼけた味はとても良かった。
主人公の話し合うだけと言ってながら、常に暴力に訴える様もロシア人らしい。また主敵と思っていたのがアッサリやられてしまう意外な展開もなかなか。そして、ポロニウム210による殺人計画、ロシアの自由化を夢見てた弟がこれを浴びて死んでしまうのも、現実の殺人事件とからみリアリティを感じた。
フィンランド映画、結構いけると思った。