「野上良太郎…⁉︎」平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER k elowさんの映画レビュー(感想・評価)
野上良太郎…⁉︎
これは平成仮面ライダード世代の私からしたら誰が何と言おうと神映画の部類に入る。てか冬映画で1番好き。
何度も何度も平成ライダーを見返した人にはちゃんと伝わる細かい仕草やライダーの癖が完全に再現されててとてもこだわりを感じた。今までの適当な大集合映画とは似てるようで全く違う、キチンとこだわりのある映画になってる。山口監督信頼できる。
まず何が凄いってライブラリー(一部は新規)とはいえ声が全員本人ボイスなところ。今まで何故これをやらなかった。これだけでちゃんと本人が変身してるように見えるのがすごい。オダギリジョーが、細川茂樹が、水嶋ヒロが、菅田将暉&桐山蓮が、福士蒼汰が、竹内涼真が、変身してるよ!!!って錯覚できる。クウガの「おりゃー!」やカブトの「甘いな」は一言だけどあれだけで本人って感じるし、響鬼やWやウィザードの「ハァ!」等の掛け声だけでもあぁ〜本人だってすぐわかるし、フォーゼに至っては出演してますよね??ってくらい喋ってるし(歓喜)、アギト&龍騎&ディケイド&ゴーストは本当に本人が新録で録ってくれてるしボイスが本人になるだけでこうも"本物"になるんだなってビックリした。
更に声だけじゃなく細かな仕草や癖も再現されてて全員本人に見える。
例えば例えば、クウガがシートにお尻を付けずにトライチェイサーに乗ってる姿だったり、戦いの素人の様に頭仰け反りキックやラリアットをする大振りな戦い方の龍騎だったり、進みながら敵を斬りつけ剣に手を添えるブレイドだったり、ヤンキーアクションからの喋りまくってロケットモジュール使うフォーゼだったり、エクストリームマーシャルアーツをするウィザードだったり、HITエフェクトが出るエグゼイドだったり、蹴り方や斬り方1つ取っても各ライダーの特徴や癖を掴んだアクションをしていて非常に本物感が強い。
1番本物にしか見えないのはWのアクション。あの2人の声で「お前の罪を数えろ」と同時になびくマフラー。前蹴りからの一回転裏拳は翔太郎よくやるし、その後の敵の武器避けてその武器を上に弾いてから腹に2発パンチは死ぬほど見た流れだし、最後のサイクロン側の回し蹴りは声も相まってマジで本物。Wの解像度高すぎてド世代の俺は死んだ。
それぞれ助けてる人達がその助けたライダーの世代になってるのも感慨深い。
子供→ゴースト&エグゼイド
青年→ダブル
お父さん→クウガ
最後のライダーキックオンパレードもCGは中々ショボかったけどその中でもこだわりと工夫はあってまあまあ良かった。
真上視点からの龍騎のドラゴンライダーキックや必殺カットイン有りのエグゼイドのマイティクリティカルストライク。ライダーキックのモーションの途中で逆さまになる2人、キバ×ウィザードのダークネスムーンブレイク×ストライクウィザードは良いコラボだった。上手い。
それと今回のメインの敵であるアナザー電王とアナザーWのデザインの完璧さ。
まずアナザー電王はイマジンの"憑依"っていうのを"寄生"と歪んで捉え、電仮面の部分が寄生虫みたいにウネウネ伸びているのが電王の設定を汚していてとても良い。それに四つのパーツを合体させて武器にするデンガッシャーもそれぞれ短剣になっていて上手く変更されている。
次のアナザーWは横顔にそれぞれサイクロンの顔とジョーカーの顔があり、正面はその両側の顔半分ずつを無理矢理くっつけて縫い付けた様な、2人の心が合わさるWと真逆のデザインになっていてこれもWの設定を踏みにじっていて大好き。サイクロンは笑顔、ジョーカーは泣き顔でW48話の別れのシーンが元になっているにも関わらず縫い付けられてるデザインのせいで、これも調和とは程遠い見方ができて良い。こいつは手首のスナップや使い方が翔太郎まんまで尚気持ち悪くて良い。
この2体のデザイナー、センスありすぎる。
あとはなんと言っても佐藤健/野上良太郎の客演でしょう。2度と見られないと思っていた佐藤健の良太郎。こんなに映画館がざわついたのは仮面ライダーでは初めての経験だった。初日の初回に行って大正解だし、貴重な体験だった。まじで佐藤健が映った瞬間劇場が揺れたもん。1回目で良太郎の台詞聞き取れた人多分この世で1人も居ないってくらい衝撃で台詞が頭に入ってこなかった。
モモタロスの「お前、俺のくせに弱えじゃねぇか」って台詞はめちゃくちゃモモタロスっぽい台詞で大好き。
久しぶりのロッドフォーム、アックスフォーム、ガンフォームやイマジンの横入りフォームチェンジも見れたし満足。
それで最近の電王はモモタロスが直接ソードフォームに変身してたからそれだとフォームチェンジは出来ない。
→今回フォームチェンジをしたということはモモタロスではなく誰かが電王に変身しているということ。
→珍しくロッドフォームのデンライダーキックでトドメ。
という分かる人には分かるけど普通に見てる分には気づかない違和感を上手く混ぜることで佐藤健が出ることを匂わせてるのはめちゃくちゃ上手い演出だなって思った🍑
アナザーライダーはそのライダーの力でしか倒せないから本編ではジオウがライダーの力を継承して倒しているが、電王は良太郎が特異点なので過去改変の影響を受けないことから電王本人がアナザー電王を倒すっていう電王の設定を上手く使っていて良かった。
「例え虚構であっても君達が信じる限り存在する」というU良太郎の台詞と「俺達もお前を忘れるかよ、良太郎」っていうモモタロスの台詞は電王リアタイ勢の私からしたらグッとくるものがありましたね。
集合映画やるならこれくらいが最低レベルであるのが普通のはずなのに、今までのが雑すぎてこの当たり前の演出でとても感動してしまった。平成ライダーの締め括りとしてとても良い、満足した映画だった。