「もっとやれたはずだ…」平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER My映画帖さんの映画レビュー(感想・評価)
もっとやれたはずだ…
成人を迎えた自分は、クウガ、アギト、龍騎などの平成一期の前半や、ディケイドやダブル、オーズが大好きだ。そして自分がこれから語る意見が老害だと言われるのは重々わかっている。その上で言わせてほしい。
もっとやれたはずなんだこの映画は。
絶対に。
なぜなら「ヒーローは虚構の存在」という設定の傑作特撮映画を僕は知っている。
「ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ&ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」だ。特撮であんなに素晴らしい映画が出来るんだ、と感動した。今見ても、というより今見るとよりグッとくる。
(小学生高学年とはいえ)年甲斐なく
ウルトラマンが好きな少年。怪獣が彼を、彼の友達を、彼の街を襲う時、本当にウルトラマンが助けてくれるという最高のヒーロー映画だ。
本作はあの映画を
仮面ライダーでやってくれると思っていた。
でもなぁ…。
いや、断じてつまらなかったわけではない。
グッとくる場面、セリフはしっかりあった。
「あの時、本当に俺の側に仮面ライダーはいたんだ。覚えている限り、ライダーはいる!」
これ最高。まさに僕の言葉じゃないか。確かにあの頃、僕の側にクウガはいた。アギトはいたのだ。
オリキャス的な要望は、あんなに大きい存在になってしまった佐藤健がまた良太郎として帰ってきてくれた。電王を、仮面ライダーを覚えてくれていた。それだけで十分だ。本当に嬉しかった。
これも最高。
しかしそれだけでは
傑作たりえないと思うのだ。
もっと出来ただろうというガッカリ感から、満足度が低くなってしまった。
せっかくの全ライダーのキックの場面や、アナザークウガのCGの安っぽさがどうしても受け付けない。
10数メートルの巨大ロボットに仮面ライダーが乗っているのに納得がいかない。
そんなことを考えてしまう時点で、もう僕はお呼びでないのだ。
というより、やはりこの映画は20歳越えの僕に向けられた映画ではなかった。当然だ。仮面ライダーは今の子供のものなのだ、というのがありありとわかってしまって、とても悲しく、寂しくなってしまった。
とはいえ、子供に見せるものと、僕のような年齢に見せるものの折衷案ということを考えたら、コレが精一杯なのかもしれない。どころか、とても頑張ってくれているのかもしれない。現に佐藤健出てるし。
こき下ろしてるわけでも、
駄作だと言っているわけでもない。
もっと出来ただろうと思ってしまった。
とにかくこれに尽きる。
ただライダーをズラズラ並べただけの映画ではないということはわかる。サービス精神に溢れる作品だとも思う。だがしかし。平成最後に贅沢な文句を言わせてほしかった。
そして、本当の本当に欲を言えば全員オリキャスの一斉変身とか超見たかった。笑
ゴッチさんコメントありがとうございます。
長谷川圭一さんスゴいですね。
ガイアの超時空の大決戦もそうですし、つい先日最終回を迎えた
アニメの「SSSS.GRIDMAN」も最高でした。
しかしWのサブライターとは知りませんでした。どおりで面白いはずです。
やはり才能というのは1人に偏るのでしょうか。
はげしく同意です。
設定が緩すぎて物語が希薄すぎます。
設定はプロデューサーの仕事、物語は脚本家の仕事。
ヒーローがTVの現実世界の設定なのであれば、
あえて、ウルトラマンで言うならば、超ウルトラ8兄弟を参考に
しっかりした設定と物語をして欲しかった。
その脚本は、長谷川圭一さんです。ご存じWダブルのサブ作家。
返信ありがとうございます。
なるほど!
確かにその解釈はアリですね…笑
アリというよりスゴいです。
色々な考え方があって本当に勉強になります。
ここからは先日いただいたコメントへの返信になりますが、煽り文の「ライダーファン」というのは一人ひとりのファンでなく、仮面ライダーというコンテンツを愛してくれた人たちという解釈はとても腑に落ちます。
その通りかもしれませんね。
フータロスは僕も好きです!
バックボーンはともかく、キャラクターはとても良かったと思います。滝藤さんハマってましたね。
クウガは整合性云々よりその場にいた方がいいというのも前述の創也創也さんの解釈もあって頷けます。ただこちらの解釈に委ねるのではなく、ちゃんと作中で説明してほしかったな…とも思ってしまいます。
ご丁寧に色々ありがとうございました。創也創也さんにコメントをいただけたことで僕の考えもまとまり、少しは深くなったと思います。笑
このやり取りを受けて後日レビューに追記させていただくかもしれないですがよろしいですか?
というか気付いたんですが、ティードとゲイツがクウガの力を得たのはクウガの放送が始まる前ですよね?
という事は、クウガにはそもそも奪われるべき歴史がないのではないでしょうか。
先代のクウガのベルトには確かにクウガの力が宿っているから、ウォッチを生成することはできる。
でも、仮面ライダークウガという番組の歴史は、1月29日には始まってはおらず、その後にクウガの歴史は誰にも奪われることなく刻まれた。
結果、クウガとアナザークウガは同時に並び立つことが可能となり、矛盾は発生しない。
こういった解釈はいかがでしょうか?
返信ありがとうございます。
あなたの主張は理解出来ましたし、始めにあった今の子供との乖離、との表現も腑に落ちました。
まぁ言ってしまえば
今の子供=ビルド、ジオウファンですからね。グリスやローグの出番が多かったのはそういった事情なのでしょう。(多分G3とか出されても子供たちポカーンでしょうしね。)
白倉Pの発言や煽り文にあった「ライダーファン」というのは、クウガ、アギトなど1人1人の作品のファン、という意味ではなく、仮面ライダーという作品を愛してくれた人々、という意味ではないでしょうか?
始めにあなたが仰ったように、ライダーは目に見えなくてもそこにいるんだよ、という事が恐らくはこのストーリーの主軸だったのでしょうし。
(たとえ去年初めてライダー見た、って子供たちにもこのメッセージは伝えられるべきではないですか?)
勝手な推測ですが、今回は(ジオウたち割いた時間を差し引いても)尺不足なのではないでしょうかね。
アナザーダブルは最悪ダブル好きの2人組とかでも良かった訳ですし、フータロスの動機も3分もあれば自身に語らせることもできたでしょうに。
(全然関係ないですけど、フータロスはかなり好きになりました。滝藤さんめっちゃいい声。今後の出番に期待したい所です。)
クウガとアナザークウガに関しても、スーパータイムジャッカーとしての特異性で云々いえばよかった話ですし。
ライダー映画の中でも最長の部類に入る今作ですらこうなってしまうのですから、春映画などのオールライダーものはやはり限界なのかもしれませんね。
とはいっても、私はクウガとアナザークウガが並び立つことになったのはよかったと思ってますよ。
設定守ってクウガは最終決戦お休みです!よりも、いくらかの齟齬を抜きにして、クウガがトドメの一撃の一角を担ってくれたあの結末には少なくない意味があるのだと私は思います。
長くなりましたが、私の意見は以上です。
所々考えが整理されきってない箇所もあると思いますが、もし矛盾等ございましたら、お教え下さい。
(続き)
どうしても製作陣のユルさが見えてしまいました。そこまでの愛が見えませんでした。もっとキッチリした、こだわり抜いた脚本を書くこともできるはずです。
ツッコミどころのない映画が良い映画だとまでは思いませんが、ここまで疑問を持たせたまま終わらせてほしくなかった。
その精神にのっとってこの作品を作るのであれば、主人公はあのウルトラマンの映画のようにライダー好きの少年ないし青年(アタルやシンゴ)にするべきだったのでは…?なんて考えてしまいます。(これもただの願望ですが)
ウルトラマンガイアを引き合いに出したのは、特撮という同じジャンルで、かつ「ヒーローは虚構」という似た設定で面白くなることを知ってしまっているからです。
それ故の「もっと面白くできたんじゃないの?」です。
長文になってしまい失礼しました。後付けのようになってしまいますが、以上が僕の主張です。
感情の赴くままに書いてしまったので矛盾やわかりにくいところがまたあるかもしれません。その時はご指摘いただけたら幸いです。
創也創也さんコメントありがとうございます。
確かにこの文章では伝わりにくいと思いましたので、返信させていただきます。
僕の主張は、とにかく「もっと面白くできたんじゃないの?」コレに尽きます。
恥ずかしながら、見終わった後の納得いかない感情に任せて書いてしまったので、よく目についた映像について強くコメントしてしまいましたが、ストーリーにもたくさん思うところがあるので、述べさせていただきます。
この映画の予告などにもある「仮面ライダーを愛してくれた、あなたへ」という文言や、某番組での白倉Pの「ライダーファンへの感謝を伝えたい」などの言葉にとても期待していったのですが、結局本作はビルドファンやジオウファンに寄せすぎたと思うのです。彼らの変身に時間を割きすぎておざなりになっているところがいくつもあると思います。アナザーダブルは誰なのか?なぜ敵は平成ライダーの歴史を終わらせたいのか?なぜフータロスはあの兄弟を守ろうとするのか?本来同時に存在出来ないはずのアナザークウガと本家クウガがなぜ同じ場にいられるのか?
平成ライダーファン全体への感謝であれば、グリスやローグを出す必要はあったのか?もし出すのならアタルの「グリスじゃなくてキバの音也ならレアだけど」というメタ発言などにガンガン深入りしていけば良いのでは?(これはツッコミというより願望ですが)
等々ありますが、そもそもこんな野暮なツッコミをさせてほしくないのです。こんな下らない疑問を持たせずにただただ、ひたすらに良い映画であってほしかった。
(続く)
あなたのコメントを拝見させていただきましたが、その上で分からない事があったので質問させていただくこととしました。
結局、あなたが主張したいことは何なのでしょう?
私はウルトラマンは視聴していませんので詳しいことは分かりませんが、あなたのコメントを見るに素晴らしいストーリーだったのでしょう。(少なくとも、CGが優れていたから良かった、という旨の発言ではありませんよね。)
それなのに、あなたの今回の映画に対する苦言は、CGの出来や、タイムマジーンそのものに対する不満ですよね?
ストーリーに納得いかなかったのなら、ウルトラマンを引き合いにだすのも頷けます。
ですが、今回のあなたの言い分において、ウルトラマンの映画と比較する事の意味が私には分からないのです。
長文になって申し訳ありませんが、要するに、主張の論点はどこなのか、お教えいただけると幸いです。