「時代にマッチしている。ぜひ映画館で見てほしい作品。」ワンダーウーマン 1984 RFさんの映画レビュー(感想・評価)
時代にマッチしている。ぜひ映画館で見てほしい作品。
私はいわゆるアメコミ系映画が好きではない。主人公が超自然的な力を持つ→調子に乗って自警的行為をするが反感を買う→力を封印→ヒロインのピンチ→再び力を使う→改心して世のため人のため行動するようになる・・・というワンパターンが多く、その調子こき描写も、改心した後の世のため人のための行動も偽善っぽくて好きになれないのだ。
しかし、ワンダーウーマンはそのような内容ではなく、いい意味で期待を裏切る作品だった。前作は見ていないがそれでも楽しめた。
1984年アメリカが舞台。人々のファッションやあえて荒いフィルムを使ったような演出からその空気が感じ取れる。
博物館職員のバーバラが仕事で手にした石は、どんな願いでも一度だけ叶えてくれる力を持っていた。ワンダーウーマンとしての裏の顔を持つ同僚ダイアナは失った恋人との再開を願い、ダイアナに憧れるバーバラは「ダイアナのようにセクシーで強くなること」を願う。そんな中、ポンジスキーム(ねずみ講もどき)で生計を立てるも崖っぷちの男マックスが石を手にして・・・。
このマックスだが、誰もが知る「あの人」をモデルにしているとしか思えない。ビジネスで失敗したところなど。単に石で権力を手に入れるのではなく、人々の願いを叶えることで権力を掌握していくというのがポイント。
終盤の解決策にちょっと無理があり、こんなにうまくいくかなあ・・・と思ってしまった。また、悪役がしでかしたことの割にきっちり裁きを受けている描写がないあたりが少しモヤモヤ。もっとも、それが普通のアメコミと違うところでもある。
メッセージ性もあり、迫力満点で純粋に楽しめる作品。若干気になるところもあるが、観て損はしないと思う。こういう映画は絶対映画館で見たいところ。
エンドロールの途中にワンシーンあるので席を立たないで。