「映画化ではMCUよりDCの方が好き。まだ人間臭いから。でもこの映画は感心出来ません。ただ、70年代のアメリカのTVドラマを楽しんだ世代としてはラストのサプライズで大目に見ましょう。」ワンダーウーマン 1984 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
映画化ではMCUよりDCの方が好き。まだ人間臭いから。でもこの映画は感心出来ません。ただ、70年代のアメリカのTVドラマを楽しんだ世代としてはラストのサプライズで大目に見ましょう。
①冒頭の少女ダイアナがアマゾン族の大掛かりな障害物競争に挑むシーンが快調な演出でこの調子なら面白くなりそう、と期待したが尻すぼみな出来で終わってしまって残念。②先ずは悪役が弱いと思ったが、詰まるところ話が悪いのだ。クリス・パインにもう一度出てもらうのに良いアイデアだと思ったかも知れないが、それ以外の部分がかなりお座なりである。③ダイアナが自分の愛よりも世界を救う方を選ぶくだりはフェミニズム時代としては大変結構。前作の二人の別れのシーンと台詞(“I will save today. You will save tomorrow.”)が感動的だっただけに、そこにおんぶにだっこしてはいるが、ダイアナが究極の選択をするところは泣かせる。女性だって色恋に血道をあけているだけではないのだ。偶然だろうが、MCUもDCも最強のヒーローがどちらも女性というのも私的にはグー!④先ず『石』に纏わる部分が適当。『石』に妖気が漂わず正に紛い物にしか見えない点でダメ。出所がハッキリせず、途中でそれなりに謂れが出てくるが、その『石』のパワーの源?である邪悪な神が最後出てくるかと思いきや有耶無耶に終わってしまった。結局あの『石』って何だったの?⑤マックスがどうやって『石』の事を知ったのか全然説明がないし、マックスみたいな子悪党が知っていたのならもっと大悪党や国家レベルのスパイとかもその存在に気付いていたでしょ。その辺りのフォローが全くありません。⑥マックスが何故あのような野望を抱くようになったかの描写がかなり杜撰なので説得力がなく、子悪党がたまたま大いなる力を手に入れて火遊びしちゃたという印象しかない。マックス役の俳優にカリスマ性が無いのが致命的。しかも最後に父性愛を取り戻して何とか最悪の事態が回避されるという安いメロドラマみたいな展開。ワンダーウーマンでないと解決出来なかった話にしないとダメでしょう。⑦クリス・パインは年取ったね。ガル・ガドットも年を取ったが、こちらはその分逆に美貌に迫力が増している。⑧アステリアについても中途半端で終わったな、と思っていたら最後にサプライズで取っておいたのは良しとしましょう。