劇場公開日 2020年12月18日

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「イケてない人の凶暴化をワンダーウーマンが鎮めてくれた!」ワンダーウーマン 1984 shunsuke kawaiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0イケてない人の凶暴化をワンダーウーマンが鎮めてくれた!

2020年12月19日
iPhoneアプリから投稿

嘘やズルはだめ!真実に向き合わないと本当に強くなれませんよ!という格言が所々に強調されているこの映画。

まさに嘘が真実を飛び越えてしまっている今の現実の世相。その代名詞であるアメリカのトランプ政権を風刺するような要素がたくさん出てきます。

マックス・ロードはもろにトランプ大統領を連想させるようなキャラクター。投資商売で金を顧客から集めて一発当てようとする胡散臭さと、実は全然儲かってないところが過去に破産を繰り返したトランプを連想させる。トランプが不動産なら、マックス・ロードは石油採掘。

マックスは、外面は景気良く見せるのがうまいが、本当は明らかに破産寸前。ヤバい投資商売をしているのに負けを認めない。虚勢をはるだけで真実に向き合えない弱くて全然イケてない人。

一方、服装も挙動も見るからに鈍臭くてイケてないバーバラは勉強ばかりの人生で社交下手。

そんなイケてない2人がアラジンの魔法のランプのごときものを手にして一気に凶暴化。

容姿から頭の良さからすべてが完璧のイケてるワンダーウーマンに戦いを挑むわけですが、ワンダーウーマンも、実は周りが見るほど楽しく毎日を送っているわけではなく、死んでしまった好きな男スティーブのことがいつまでも忘れられないという非常に勿体無い人生(アマゾン人生)を送って苦しんでいました。

どんなスーパーヒーローだろうと、どんなに周りが羨むように見える人だろうと、誰もが苦しんでいる。だからこそ、苦しんでいる人を踏みつけにして幸せになるようなことはせず、弱い自分に向き合って助け合おうという今のアメリカの人たちに向けたメッセージのようなものを感じる、そんな映画でした。

屠殺100%