「好みは分かれると思います」クソ野郎と美しき世界 Tarobeさんの映画レビュー(感想・評価)
好みは分かれると思います
①園子温監督「ピアニストを撃つな!」
わざとつまらない映画を撮っているんじゃないかと思うくらいつまらなかったです。コメディの部分も全然面白くなかったし、そこに焦点を当てているため、リアリティがなかったのもつまらない要因の一つでした。
②山内ケンジ監督「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」
面白かったです。見せ方が上手いと思いました。
タイトルに「慎吾ちゃん」とあるように、役と本人が抱えてる闇というか、モヤモヤした部分が非常にリンクしていると感じました。
言うまでもなくこの映画は、新しい地図の三人によるもので、僕は別に三人のファンではないのですが、色々な騒動があっての今であり、少なからずこの映画を見ようと思った人は、三人について興味があると思います。
なので、本人と役をリンクさせたことにより、本当に香取慎吾さんの苦悩や葛藤などが表されているように感じて、とてもいいなと思いました。
③太田光監督「光へ、航る」
これも面白かったです。最初と次の草なぎ剛さんが出てくるシーンは引き込まれました。テーマは家族愛、命で王道ですが、良い作品に仕上がっていたと思います。
一つ気になったのは、ヤクザである草なぎさんが沖縄に行くのですが、「ヤクザ」「沖縄」といったらどうしても北野武映画を連想してしまうんですよね。
草なぎさんと、不倫した男との漫才みたいなやりとりも、太田さんぽいと言えばそうですが、たけしさんぽいと言えばたけしさんぽいんですよね。
太田さんはたけしさんのファンですから、影響を受けているのはまず間違いないと思います。
だとしても良い作品であることには変わらないんですけどね。
④児玉裕一監督「新しい詩」
蛇足だと思いました。雰囲気だけ。
特に、草なぎさんが、園子温監督の作品の変なヤクザの組織に属していたなんて、違和感しか感じなかったです。世界観が違いすぎる。
太田さんの作品の価値を落としていると思いました。無理やり作品同士を繋げる意味はないでしょう。
以上です。好みはあると思いますが、映画全体としては良かったです。