「解散、そしてこれから」クソ野郎と美しき世界 popoさんの映画レビュー(感想・評価)
解散、そしてこれから
国民的アイドルSMAPの解散ニュースが流れた時、相当な衝撃だった。テレビ、週刊誌、スポーツ誌など多くのメディアが事務所寄りなのかそうでないのかで、全く色合いの異なる情報が行き来し、彼らの今後はどうなるのだろうと感じていた。結局SMAPであった本人たちは制約だらけのなか、何も真実を語ることができず、さらには誰もが知っている曲の多くも歌えないというのだ。多くの人々を楽しませてくれた彼らに、こんな理不尽なことがあっていいのか?と思いながら、彼らの今後が気になり映画館へ足を運んだ。
オムニバスで4つのエピソードからなる映画だった。
一番心揺さぶられたのは、香取慎吾が香取慎吾を演じているエピソード2。本人の口から一生語られることがないであろう、解散の真実。まわりのスタッフが彼の想いをくみ取り、伝えようとしている、そのエピソード2は重い。ただ、それをノンフィクションでなく、ファンタジーとしているところに、湿っぽさがなく、しかし心締め付けられるものがある。
そしてエピソード4で歌う香取慎吾。その歌詞が、受け入れたくない現実をも受け入れ、前に進んでいくのだと感じさせてくれる。
また、彼らがエンターテイナーであることを再認識させられた。
この映画の作り手たちが、SMAP解散後の彼らは決してこのままでは終わらせない、という強い思いで、彼らの現実をエンターテイメントとして表現した映画だと感じ、フィクションであるが、ノンフィクションでもあるような、とても心に響く映画だった。
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